②愛と呼べるもの、共依存に在り!

夕日ゆうや

第1話 プロット

②ラブコメ、共依存


◯参考作品


・アニメ・ラノベ『さくら荘のペットな彼女』

・アニメ『恋と選挙とチョコレート』


◯世界観


現代日本で、可愛がっていた妹を亡くした主人公がヒロインを妹として甘やかし、結果共依存に陥る。



◯主要キャラクター


天野あまの裕太ゆうた――日本人。17歳。高校二年生。趣味として小説を書く、読書。動画編集を勉強中。再生回数が100程度の弱小YouTuber。朗らかで真面目な好青年。一人称『俺』。学業学年二位。運動は苦手。以前にいじめに遭っていたが、高校では優等生として位置づけすることで身を守っている。可愛がっていた妹・千瀬ちせを十歳の時に失っている。その後、幼馴染みである彩音を妹のように溺愛している。好物はハンバーグと甘い物。


千瀬ちせならそんなことは言わない!」


・天野千瀬ちせ――故六歳。金平糖が好き。嬉しそうに食べていた。


凜藤りんどう彩音あやね――ロシア人の祖父・ミロンがいる。クオーター。17歳。高校二年。趣味は裕太の観察、裕太を調べること、裕太に抱きつくこと。運動神経抜群。勉学はできない。裕太にかまってもらうためなら要介護者と呼ばれるほど、自分のことをしない。学年一位の美少女と呼ばれている。幼さを残した顔立ち、髪の毛は銀色で肩よりも長いくらい。エメラルドのような瞳を持ち、異彩を放っている。一人称は『わたし』。語尾のクセが『~の』。

 性格は明るく、弱気、依存しやすい。幼馴染みの千瀬を失ってから、ずっと後ろめたさを感じている。裕太に依存している。他の人には素っ気ない態度をとるが、裕太の前では喜怒哀楽を見せる。裕太と喧嘩になることもあるが、すぐに謝る。クーデレ・ヤンデレ・ツンデレの要素を持つ。

 好物はパンケーキやかき氷など。映えるのが好きだったりする。


「わたしは裕太しかいらないの」


結城ゆうきあおい――裕太と彩音の二人の関係を知っている。二人の共依存を解消しようと思っている。高校二年生。17歳→18歳。黒髪ロングをツインテールにしている。切れ長の目。茶色の瞳。可愛らしい見た目をしているが、毒舌家。生真面目で正義感に溢れている。一人称は『私』。語尾が『ですます』口調。

 裕太と彩音とは幼馴染み。千瀬のことではショックを受けて、罪悪感を覚えている。(一巻では)裕太とは恋心はなく、単に依存している関係に気持ち悪さを感じている。(二巻では)自覚がないものの、裕太に対して恋心を抱く。運動・勉強はできる。


「私の前では自立しなさい」


虹丘にじおかひとし――裕太の友人。チャラい。客観視できる頭を持つ。金色の短髪。白い歯。爽やかなところがある。一人称は『おれ』。運動はできる方。勉強はそこそこ。


「おれって影薄い!?」


黒川くろかわ静流しずる――裕太たちの担任の先生。格好いい。25歳。


◯物語構成


☆一巻


~一章 始まり~

・プロローグ。四月末から五月の連休。各キャラの自己紹介。裕太がWEB小説を書く過程で、彩音が抱きつく。やめさせることもなく受け入れる裕太。彩音にパンツを履かせる裕太。これが日常。学校に行くと葵と虹丘が近寄ってくる。四人で会話をする。「付き合っているのですか?」と訝しげに訊ねてくる葵。


・葵が裕太と彩音を引き離そうとする。「あんたら共依存しています」と告げる。目くじらを立てて、二人を引き離しにかかる葵。そう思われたことにショックを受け、困窮する裕太。一方の彩音は澄ました顔で応じる。彩音に心変わりはないらしい。裕太に千瀬が好きだった金平糖を渡す彩音。WEB小説で鬱憤うっぷんを晴らす裕太。


・虹丘に相談する裕太だが、励まされる。さすが虹丘。「お前がいなくて彩音はどうするよ?」と言われる。虹丘の軽薄な態度とは裏腹にいい奴なのだ。相談に乗ってくれた虹丘を褒めちぎる裕太。しかし調子に乗った虹丘は天狗になる。葵に共依存を始め、色々と言われて嗚咽を漏らす彩音。


・葵の言葉を無視し、裕太は彩音を甘やかす。優しい声をかける裕太に、泣き腫らした顔で応じる彩音。ようやく一緒にいられる裕太と彩音。


~第二章 林間学校~

・五月の林間学校で、裕太と彩音が離ればなれになり、何もできない彩音は裕太を求

めて男子寮に行く。それが先生に知られて二人の関係を知られる。共依存を危ぶまれる先生と葵。葵が告げ口をしたのも含め、二人は窮地に立たされる。小説に行き詰まる裕太。


・共依存を知られた二人の関係を『気持ち悪い』と称するモブ生徒と葵。精神的にきつくなった裕太と彩音はなんとなしに、距離を置くようになっていた。


・みんなからの反対で二人は渋々、離れることに。いじめの記憶が蘇る。裕太は自分がまたいじめられるのではないかと、家に引きこもることに。心配した母と父が相談に乗ろうとするが追い返させられる。小説を新人賞に応募する裕太。


・離れて暮らすようになってから二人は日々、やつれていく。彩音も毎日泣き腫らし、顔がやつれていく。疲労感でいっぱいの二人。


~第三章 逃走~

・とある夜、彩音は裕太を求めて駆け出す。警察沙汰に。もう耐えきれないと、彩音は裕太の家に向かう。裕太にも連絡がいき、彩音を探すために自転車を駆り出す。隣町の彩音の家まで自転車で行き、それでも見つからない彩音を心配し、市中を探し回る裕太。


・次の日になっても彩音は帰らず。いよいよ騒ぎになり、ネットに投稿され、世界中から批判を浴びる学校。学校全員を借りだし、捜索にあたることに。

・裕太の家の庭にいた泥だらけの彩音を見つける。隣町から裸足で歩いてきた彩音をしっかりと抱きしめる裕太。にこりと笑うと彩音もにこりと笑う。二人は幸せなキスをして警察に告げる。新人賞の一次選考に残る裕太。


・エンドロール。二人は二人の愛を貫くことになる。二人の関係がネット上では話題になる。共依存と言われようとも、それでも愛を貫くと誓う二人。ネットで話題になったことにより、裕太のWEB小説が人気にんきでる。批判の声も上がるが、裕太は嬉しく思う。



☆二巻


・愛を貫くと決めた二人に嫉妬した葵が二人を戒める噂を流し始める。「毎日バンバン、ヤっているらしいよ」と。葵自身、泣きながら噂を広める。新人賞の二次選考を落ちる裕太。


・ラブコメのWEB小説を書く裕太。でもその内容は現実と同じような形。それを知る葵は、嫉妬でモヤモヤする。WEB小説のコンテストで、前の巻で人気になったため、読者選考を突破する裕太。


・ある日、喧嘩した裕太と彩音。雨の中、彩音の家の前で裕太が突っ立っているのを見て、葵は自分の家に連れ込む。風邪をひかれては困ると思い、シャワーを浴びせさせる。自分の気持ちが恋とは気がつかずに、裕太との会話を楽しむ。ドア越しの会話。このまま自分の家にいて欲しいと思い、裕太を引き留める葵。なぜなんだろう? と疑問に思う葵。それを告げると、裕太は優しく微笑む。「俺からは言えないよ」と返し、葵の疑問はさらに深まる。


・やっぱりこの二人の関係はいびつだと感じた葵は、二人を引き離す計画を立てる。自分と話している時の裕太が本当の裕太と思い込み、葵は自分の正義感を貫く。


・一方その頃、学校でも共依存している二人を心配する声が上がっており、二人をよく知る葵を呼び出すことに。学校に呼び出された葵は全てを話し、二人の関係が〝共依存〟と言い、二人は危うい関係であると告げる。優等生である裕太に疑問の声を上げる声もあったが、葵の父親であり、学校の理事長でもある信士しんじが強攻策を行う。


・学校とプライベートを通じて二人を引き離そうとするが、彩音と裕太は抵抗し続ける。二人の愛は引き裂けない。それでも引き離そうとする葵たち。裕太をアメリカに留学させようとする。なまじ勉強ができるから、そう言われる。6月末のテストで赤点をとり、回避しようとする裕太。


・裕太はいじめの記憶を思い出し、一人、自分の部屋に籠もることになる。荒っぽいやり口でニート・引きこもりを家から追い出す業者に連絡され、裕太は引き離されることになる。


・お互いを失った裕太、彩音は精神的にまいってしまう。裕太を失った彩音は死を意識するように。それは以前から感じていた千瀬への思いでもある。死んでも悲しいことしか生まない……。それは裕太も思っていたこと。だから自殺はしない。悲しいことがたくさんあるこの世界で、彼らは泣きながらも生きていく。


・裕太の親、彩音の親は共々、二人を引き離すことに若干の違和感を覚えることに。以前に警察沙汰になったことからも、二人を引き離すことに間違った考えが混じっていないか? と思う。


・裕太は耐えきれずに彩音に連絡をとる。いけないことと分かっていても……。彩音と連絡がつくとホッと一息吐く裕太。二人はしばらく会話を重ねていく。久しぶりに笑い合い、楽しむ。その様子をひっそりと見ていた親が学校に問い合わせる。


・裕太と彩音は二人で会うことに。そこに葵が現れ「私のことも見てください!」と裕太に迫る。ようやく自分の気持ちに気がつき、嫉妬していたと知る。それから「ごめんなさい」と震える声で謝る葵。それでも許してしまう裕太と彩音。葵は二人の愛の大きさを知り、自分が情けなくなる。


・自分のせいでこんなことになり、二人から離れる葵。葵は退学届を出そうする。まさか、こんなに大事になるとは考えていなかったし、自分が好きになっているのを知り、失恋をした葵はこの場から離れたくなった。


・裕太はそんな葵の姿が見ていられずに、一緒に卒業を約束することになる。それを知った彩音は得心いく。自分だけ楽になろうと思うなよ、と。辛辣な言葉で葵に告げる裕太。


・葵を見ていて、彩音との距離が少し離れ、共依存から脱することになる。葵のことも見ていく裕太だが、今度は彩音が嫉妬する。嫉妬した彩音はヤンデレらしく、葵を突き放す。涙目になる葵をかばう裕太に、噛みつく彩音。だけど、会えなくなるのは辛いから翌日には謝る彩音。

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