高島くん 寄生革命編
まめでんきゅう–ねこ
第1話 池ぽちゃ
一応言っとくけど、この世界では人口の50%は何かしらの能力が生まれつき使え、その能力は千差万別なので、例え親子でも同じ能力はない。とりあえずこれだけは覚えといてください。
秋風吹く牧場に
「乳搾りすると母性本能が湧いちゃうんだよね」
「……?」
「??????」
「それは、自然は本能に従って生きてるからです」
「珍しく雷人がいいこと言った。普通の喋り方で」
「ああそうだ、高島、芝滑りしようぜ」
「ええ?けどソリなかったよ」
「いやでも段ボールとかあんでしょ」
「そっか。じゃあ行こうぜ」
2人は段ボールを持って坂へ向かった。
「ここか。結構デカいな」
段ボールを置くと、その上に乗った。
「行くぞ?」
「おん」
「いっせーのーで!!!!!!」
2人は同時に坂を滑り始めた。顔に当たる風が気持ちいい。
「(おおすごい!!!!!!)」
「都内じゃ味わえないな」
高島が急カーブしようとすると、転倒してしまった。
「うわぁ⁉︎」
「ファ⁉︎」
ごろごろと転がる彼を追いかけて、有島も急カーブした。
「うわぁ⁉︎」
やはり転倒した。
高島は坂道をごろごろごろごろと転がり続けて、ついに池に落ちた。
ドボボォン
有島は木に引っかかったおかげでで、なんとか池ぽちゃは免れたが、高島は無惨な見た目と化していた。
「うわぁなんだお前⁉︎……高島か…」
「悪かったなぁ。オエェ、池の水全部飲んだ」
冗談を言いながら口を大きく開けて水を出した。
「まずっ、………口の中がベタベタするんだけど」
「我慢しろ我慢。戻ろうぜ」
2人は坂を登り始めた。
「はい昼ごはんの時間です。皆さん弁当持ってきましたぁ?」
「はァァァいい、持ってきましたァァァァァァァァァァァァァァァ」
高島たちはレジャーシートを敷いて、昼ごはんを食べた。
「いやぁ、自然はいいねぇ」
先生がコンビニの弁当のフタを開けて、コロッケを箸で掴む。のどかな自然、心地よい風、舞う落ち葉、人々の笑い声、家畜たちの鳴き声、なんて平和な場所なのだろうか。
「某国にはこんな素敵な場所ねぇぞ。アハハハハハハハハ!!!!!!」
「どこだよその国www」
昼ごはんを食べ終わった後、しばらく遊んで過ごした。
「トラクターに乗れるらしいぞ行こう」
「
「カメラ持ってどっか行っちゃったよあいつ」
「……なんだこの音」
有島がヤギにエサをあげながら、異変に気づいた。
どこからか工場の音が聞こえる。しかし彼は、その辺に工場ができたのだろうと、あまり気にしなかった。
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