第217話 お見合い その6

「ねぇシンさん、ここの子供達はどうしてこんなに楽しそうに仕事をしているのかしら?


さっきのウィルって子もシンさんに忠誠を誓いそうな勢いだったし」



俺とウィルとの会話を少し離れた所から聞いていたペトラ様だけど、どうにも納得出来ないのかまた頬を膨らませている



「どうしてと言われましても、俺と子供達は対等なビジネスパートナーですから、接し方は厳しいと思うんですけどね」


「ビジネスパートナーですって?!」


「ええ、私が必要な材料を提供して子供達が作って売る、まさにお互いウィンウィンな関係の仕事仲間ですね♪


そんな事より食堂に行きましょう、シェラさんが屋台の料理を食べたくてそわそわしてますから(笑)」


「うんうん!」



今の時間だとこども園の年少組が、3時のおやつを美味しく食べる為に元気に遊んでる頃かな?



「わんわん♪」「逃げろー♪」「キャー♪」



おっ?


いつものようにフェンリルのリリーが子供達と一緒に追いかけっこで遊んでいる。リリーはこども園のおやつを食べてから、我が家の夕食を食べに来るのが日課だからな



「あっ、会長だー!」


「「「「「会長こんにちは~♪」」」」」


「わふっ♪」


「はい、皆こんにちは♪」



今日も相変わらずこども達は元気だねぇ


そうだ、良い事思い付いた♪



「皆聞いて~、今日はここに居るペトラお姉ちゃんが皆に問題を出しま~す。正解した人には今日のおやつに、いちご大福を付けるから皆頑張って答えてね~」


「「「「「は~い」」」」」



「は?、、、えっと、シンさん?!」


「お姉ちゃん早く問題出してよー!」


「そうだよー、早くしないとおやつの時間無くなっちゃうよ~」



「ペトラ様早く問題出して下さい。皆2桁の足し算引き算は出来ますから」


「こっ、こんな小さな子達がですか?!、、、えぇーっと、では行きますわよ、2+1は分かりますか?」


「さんー♪」


「せっ、正解です。」


「こんなの簡単だよー」「次わたしー!」


「それでは、3+3は?」「ろくー!」


「正解です。」「やったぁー!」


「くっ!次ですわ、4-2は?」「に!」「8+7は?」「じゅうごー♪」「14-9は?」「ご~♪」「いっ、1+1は?」「わんわん♪」


「まっ、まさか犬まで優秀だなんて、、、」



良し!


ナイスだリリー♪



「ペトラ様、ここの子供達は皆孤児なんですけど、きちんと教えさえすれば10歳くらいまでには、かけ算とわり算も全員出来るようになりますよ」


「ちょっ、ちょっと待ちなさいよ!わり算なんて大商会とか領主付きの文官が使うような物じゃない!


それをこんな子供が出来るようになるですって?!


シンさん、あなた優秀な人材を育成して王都に送り込んで、国を乗っ取るつもりじゃないの?」


「ははは、冗談はやめて下さいよ、わり算で乗っ取れる国なんてどんだけ馬鹿の集まりなんですか(笑)」


「あの、冗談では無いのですけど、、、」



「さあさあ、遊びは終わりにしておやつの時間ですよ~。お姉ちゃんからの問題に正解した人には約束通りいちご大福があるよ、、、って全員か


皆手を洗って来てくださーい」


「「「「「「「は~い♪」」」」」」」


「わふっ♪」




うーむ


何故かペトラ様が落ち込んでるように見えるんだけど、とりあえず放置しておこう


それより、シェラさんとニィナがちゃっかり子供達に混ざってるのは、、、


まあ良いか(笑)






つづく。

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