第213話 お見合い その2

「シクシク、シクシク」


チラッ


「・・・」


チラッ


「・・・」


「シクシク、シクシク」


チラッ、、、チラッ


「・・・」





先程からペトラ様がシクシク言いながら俺をチラチラ見て来るのだけど、こちらから声をかけると面倒くさい事になりそうなので放置している


ペトラ様はスタイルも良いし凄い美人だから何時まで眺めていても飽きない、だから俺の負担はゼロだ(笑)




「ちょっとあなた!目の前でこんなに可愛い女性が泣いてるんだから声くらいかけなさいよ!」


「なるほど!さっきからシクシク言ってたのは泣いていたのですね、私はてっきり口癖だと思ってましたよ、あはははは」


「まったく私の何処が気に入らないのか理解に苦しむわ!もしかしてあなた女性が嫌いなのかしら?」


「いえ、女性は大好きです。」


「だったら私で良いじゃないよ!あっ?!もしかしてそこにいる、、、ニィナさんだったわね、ダークエルフとか他種族が好きなの?」


「種族に関係無く美しい女性は大好きです♪」


「むぅ、、、ますます理解に苦しむわね」


「とりあえずお茶淹れますから、お菓子でも食べながらゆっくり話しませんか?」


「話せば結婚してくれるのね♪」


「いいえ、あくまで検討するだけです。」


「ぷぅー!」



あらら、ペトラ様が頬を膨らませて拗ねてしまった


まったく、どうしてそこまで俺と結婚したがるのか理解に苦しむけど、絶対に訳有りだよなぁ、超絶面倒だ(泣)




さてと、お茶は来客用のちょっとお高い紅茶で良いとして、お菓子は何が良いかな、収納に入ってる物で何か、、、パウンドケーキで良いか


砂糖を極力少なくして甘さ控えめにしてあるけど、中に入ってるドライフルーツの優しい甘さが美味しい


愛しのぷりてぃーうさぎ耳のカスミが作った自信作だ♪



「ペトラ様お待たせしました、紅茶とパウンドケーキです。」


「あら、収納持ちなのね羨ましいわ、それに良い匂いのお茶♪このお菓子も初めて見るけれどとても美味しそうね」


「ありがとうございます。


それじゃあニィナもこっちで一緒に食べよう、ペトラ様の護衛さんも一緒にどうですか?名前は、、、」


「あの子は、シェヘラザード・バレンタイン。シェラあなたもこっちに来て食べなさいよ」


「お嬢様しかし」


「良いじゃないですか、入口を警戒したいのは分かりますけど、ニィナとシェヘラザードさんなら部屋に誰か近付いて来た段階で分かるでしょうし


それにシェヘラザードさんが先に食べて毒味をしないと、ペトラ様がお菓子を食べられませんよ♪」


「そっ、それは、、、」


「ふふっ、やられたわねシェラ、あなたが毒味をしてくれないと私喉がカラカラになってしまうわ、さあ早くこっちに来て座りなさいよ」


「かしこまりました」




今までは恐くてあんまり顔を見ないようにしてたけど、ペトラ様の隣に座ったシェヘラザードさんはいたって普通の女性だな


年齢は20代後半?護衛として仕事中のせいか表情が険しくてよく分からん、近くで見ても華奢でそれほど筋肉があるようにも見えんから、まったく強そうじゃない


護衛に役立つユニークスキル持ちなのかもしれんけどな



「それではいただきます。ズズッ、、、まあ♪ではお菓子もいただきます、、、っ?!モグモグモグモグモグモグモグモグ♪」



お?


紅茶をひと口飲んでシェヘラザードさんの表情がパッと明るくなったと思ったら、今度はパウンドケーキをバクバク食べ出したよ



「ねぇシェラ、あなたお菓子をバクバク食べているけれど毒味って事を忘れてない?」


「お嬢様これは駄目です!私が責任を持って全部食べます!モグモグモグモグ」


「あっ?!シェラそれ私のケーキ!!」


「モグモグモグモグモグモグモグモグ♪」




なんかこの2人のやり取りって、創造神様とちーちゃんさんに似てるな(笑)



「ペトラ様もシェヘラザードさんも、お菓子はたくさんありますので、、、シェヘラザードさんもしかしてお腹空いてますか?何でも良いなら料理も出せますけど」


「うん!料理もお菓子も両方お願いします!!」


「申し訳ないけどお願いするわね旦那様、それとこの子はシェラで良いわよ、シェヘラザードって長いでしょ


シェラって身体は細いのに凄く食べるの、でも旦那様の経済力なら多少食い扶持が増えても問題無いから安心ね♪」


「こんなに細いのに、、、ってペトラ様急に呼び方変えるの止めて頂けませんか」


「チッ!気付いたか」




おお!


今度は舌打ちだよ


なんかもう1周回って面白くなって来たな(笑)






つづく。

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