第186話 洞窟の主

洞窟の定番罠『転がる大岩』をクリアした俺達は、ゴレさんを先頭に洞窟の奥へと突き進むが


ほどなくして洞窟は行き止まりになってしまった。


辺りを見渡すけど入口らしき物は無い、こういう場所には隠しスイッチがあって、それを押したら扉が開くのが定番だ


創造神様のセンスなら定番の仕掛けにしてると思うんだよな、だから隠しスイッチが必ずあるはず!



「おにいちゃん、この壁に何か絵が描いてあるよ!ここに光当てて」


「おう、ここだな」



メリルに言われた通り壁に懐中電灯の光を当ててみる


確かに絵がある、かなりの年月が経ってるからか薄くなってるけど、壁一面に描いてあるな



ただ懐中電灯1個じゃ全体が見えない


ここは物量作戦だ!


スキルの「店」から懐中電灯を追加で購入、1人2個ずつでヘッドライトもプラスする


俺はゴレさんにも強引に懐中電灯を持たせて、ヘッドライトも装着する



「みんな懐中電灯は持ったな?せーの」


『ピカーー!』



「おおっ!」


「「「「「わあっ!」」」」」



壁一面に描かれた絵が光に照らされ浮かび上がる


壁を見上げると、1番上に描かれた女性らしき絵は創造神様かな?


その下に12体の、、、絵が薄くなっててよく分からんな


1体はドラゴンだろう、それと狐と蛇?


かろうじて分かるのはそれぐらいで他はさっぱりだ、そもそもこの世界固有の生物だったら俺にはお手上げだ



「主様、ここを」


「おっ!それは分かる、中心にデカい木があるから浮島だな」




他にも色々描いてあるし何か意味があると思うんだけど



「カスミ、この絵をカメラで撮っておいて」


「はい!」


『カシャカシャカシャカシャ、カシャカシャ、カシャカシャカシャカシャカシャカシャ、カシャカシャカシャカシャ、カシャカシャカシャカシャカシャカシャ』



絵については帰ってからゆっくり調べよう、絵が大き過ぎてゆっくり見てる時間が無い




「なぁケイト、ダンジョンには扉を開ける為の隠しスイッチとかあるだろ、ここにもあると思うんだけど分からないか?」


「残念だけど、ダンジョンに扉を開ける為の隠しスイッチがあるなんて聞いた事無いよ」



「えぇー!!普通あるだろ?」


「ダンナの普通が何かは知らないけどさ、階層ボスを倒さないと開かない扉はあるよ


でもそれを除けばダンジョンに扉は存在しないんだよ、だからスイッチも無い


そもそもここはダンジョンじゃない可能性はあるけど」




なんてこった、仮にダンジョンじゃないとしても、みんなが探してもそれらしき物は見当たらないし、ここがこの洞窟のゴールかよ(悲)



『トントン』


肩をトントンされたので振り向くと


ゴレさん!



ん?


この壁の出っぱりを持って引っ張れ?



『ギィィィ』


っておーい!


普通に開いとるがな


スイッチがあると思ってたから手当たり次第に壁を押してたけど


まさかの手前に引くタイプの扉があるとか思わんやろ!



しかも高さ1メートルちょいのゴレさん用の扉やん、みんなも微妙な表情してるし



とにかく扉の向こうに行くか、おじゃましまーす。





扉をくぐるとそこは凄く広い部屋だった、懐中電灯で照らしてみるも向こうまで光が届かない程度には広い


野球場みたいな形と大きさかな?



ここは物量作戦パート2だ!


スキルの「店」から得用三色入りのサイリウム99本セットを5mpの激安価格で購入、これでこの部屋を照らしてやる!



「みんな、光る棒を渡すから手当たり次第に投げてくれ」


「「「「「おー!」」」」」


「はいスミレ、頑張って投げてな」


「うん♪、、、えい!」


「ほい!」「えい!」「そら!」「えい!」「まだまだ!」「えい!」



俺の背中におぶさっているスミレにサイリウムを渡して投げてもらう、良いねぇ


戦車の装填手と砲手みたいで楽しいな♪



全員で99本のサイリウムを投げ終えると周辺は、赤、黄、青に照らされてとても幻想的だ♪



「わぁ♪」


「あははは、こりゃスゲェや!」


「記念に撮っておきますね」


『カシャカシャ、カシャカシャカシャカシャ、カシャカシャ』




あ゛っ!



光に照らされて部屋の奥に黒い物体が見えた、あれは



「ニィナ、ケイト、あそこに見えるのって俺にはドラゴンに見えるんだけど(汗)」


「ダンナ間違い無いあれはドラゴンだよ、しかも馬鹿みたいにデッカイ奴だ!」


「眠っているようですが、葬りますか?」


「やめなさい!せっかく眠ってるんだからこのまま帰ろう」


「そうだよニィナ、あんなのと戦って怪我したらどうするの!」



うんうん、メリルさんもっと言ってやって下さい!




あっ!


いつの間にかゴレさんがドラゴンの側に居るよ


しかもドラゴンの口をベシベシ叩いて起こそうとしてるじゃないか!


なにやってんだよぉー(泣)




「グァ~~~~~」



ほら見ろ、ドラゴンが起きちゃったじゃないか!



「ん?、、ゴーレムではないか、もう食事の時間か、、、ほぉ、生き餌とは珍しいな」




やべぇ、あのドラゴン俺達を見て餌と勘違いしてる




「ふっ、ふっ、ふっ、たかがドラゴンの分際で我が主を餌扱いとは笑止!」


「ほぉほぉ、餌にしてはなかなかの覇気、、、そうか貴様達が我ガ待ち望んでいた勇者だな?」




「ニッ、ニィナ?!なに言っちゃってんだよ(汗)ドラゴンも俺達は勇者ちゃうし!」


「ダンナ、ヤバイよニィナが怒ってる!」





「聴けドラゴン!


我が名はニィナ、貴様を冥府に送る者也!」



「我ニ臆する事の無いその胆力、見事である♪


試練を受ける資格アリと認める!


ここは第一の試練勇気の間、我ハ守護獣にして見極めし者、見事我ヲ倒して世界の理を知るが良い!」





つづく。

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