第144話 第1回ホルヌッセン大会と餅つき その3
「第1回ホルヌッセン大会優勝、シリウスさん、おめでとうございます!」
「「「「「ワァーーー!」」」」」
『パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ♪』
「第2位、プロキオンさん、おめでとう」
「「「「「ワァーー!」」」」」
『パチパチパチパチパチパチパチパチ♪』
「第3位、ベテルギウスさん、おめでとう」
「「「「ワァー!」」」」
『パチパチパチパチパチパチ♪』
シリウス、プロキオン、ベテルギウスって冬の大三角か!
なんかあっという間に第1回ホルヌッセン大会は無事に終わっていた
その間、俺は何をしていたのかと言うと、餅を教会の女神像の前にお供えしたり
「ホルヌッセンとは何だ?」
「餅って何だ?」
と言う商人達に囲まれ質問攻めにされていた
商人達が横柄な態度で来てたならニィナがぶん殴って終わりだったけど、とても礼儀正しく紳士的な態度だった為こちらとしても丁寧に対応せざるを得ず
ホルヌッセンと餅に関しての質問に答えている間にホルヌッセン大会は終わっていた
優勝のシリウスさんと、2位のプロキオンさんは20歳ぐらいの若者だったけど、3位のベテルギウスさんは43歳のおっさんだった
ベテルギウスさんは最近まで兵士として戦地で働いていたらしいけど、足を怪我して退役、故郷のキャラバンシティに帰ってきた人だ
ホルヌッセン大会では怪我の後遺症で上手く走れないから、下手に動かず待ちに徹したお陰で3位になったんだとか
全員が初体験の競技だからボールを追って無駄にドタバタしてたからな(笑)
そしてベテルギウスさんにはまだ小さい子供が居て、働き口を探してるけど足の怪我もあり出来る仕事が無い為、仕方なく採取専門の冒険者をしながら食い繋いでいたらしい
そこで俺からアストレア様に、ベテルギウスさんを門兵に推薦する書状を渡しておいた、いわゆる副賞ってやつだ
長年兵士として働いていたならその経験が役立ちそうだし、現役の門兵ロブさんとも知り合いでロブさんが保証人にもなるって言うから
色んな条件が揃った事もあり今回だけの特別賞になる
独断と偏見で全てを決められる、それが主催者の特権だから何も問題無い!
それに門兵ならあまり動かなくて良いからな、おっさんは頑張るおっさんを応援しています。
当然他の二人にも俺が出来る範囲の事で副賞は何がいいか聞いたんだけど、酒と保存食が良いって言うので持てる限界までたんまり渡したら、ヒィヒィ言いながらも嬉しそうに帰って行った
シリウスさんに関しては優勝商品も酒の詰め合わせだったんだけど、どんだけ酒好きやねん!
とまあ色々改善点もあるけど、第1回ホルヌッセン大会と餅つきは成功と言って良いだろう
大会運営を手伝ってくれた商業ギルドの職員さん達も、無事にやりきった達成感からとても清々しい顔をしている
職員さん達には感謝の気持ちとしてワインとスイートポテトを渡しておいた、嬉しいのは分かるけどいい歳の大人が酒瓶を抱えてスキップしながら帰るのはどうなんだろう?
とにかく皆さんお疲れ様でした。
ーーーーーーーーーーーーーー
さて、我が家に帰って来て、今から夕食を作るんだけど
今日は正月だ、正月と言えば普段あまり食べないご馳走を食べたい!
しかし我が家のご飯は俺が全力で色んな料理を作ったから、いまさらご馳走って言っても何を作ったらいいのか分からん
なので無難に『すき焼き』
自然薯を使った、漬けマグロの山かけ丼にした
自然薯は食べると寿命が伸びるとか聞いたような気がするから、縁起物として正月にはぴったりだろ
デザートは芋を使ったモンブランで、イモンブラン♪
毎度お馴染み、眠れる森産の芋を使ってるんだけど、スイートポテトに続く、砂糖を使わない甘味として普及させよう第2段だ!
眠れる森の芋は雑草の如く成長するので余り気味なんだ、ここでエルフに更なる恩を売り、多少の事ではミリーさんに怒られないようにしたい!
もうミリーさんに笑顔で怒られたくないんだ(泣)
「よぉーし、みんなお待たせ、ご飯だぞ~」
「やったぁー、すき焼きだぁ♪」
「それじゃあ、いただきます」
「「「「「「いただきます♪」」」」」」
今日も我が家は平和だねぇ
しかし
俺は食事の後でメリルに、今まで黙っていたある事を告白する決意をした為とても緊張している
この国では新年になると同時に全国民が1つ年をとる決まりなので、今日からメリルも成人して大人って事になる
大人なら俺とこれからどういう付き合い方をするのか、自分で判断して決めて欲しい
そんな理由から決めた事だけど、緊張で脇汗が止まらんぜ(汗)
だけどメリルとこの先も一緒に暮らすなら避けては通れない
いざ!
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。