第92話 誕生、サバサンド!

商業ギルドの前の通りに臨時で露店を出したのはいいが、スゲェー人だよ(汗)


値段が安くて買いやすいのもあるだろう



蒸しじゃが芋 1個銅貨1枚


ウィンナーサンド 1個銅貨3枚


お好み焼き串 1本銅貨3枚




かなり安い値段設定だけど、今回は宣伝も兼ねてのサービスみたいなもんだ


ただし、ウィンナーサンドは通常の半分の大きさにしている、材料費がほぼゼロみたいなもんだから値段が安くても利益は充分あるから問題は無い


お好み焼き串なんかは材料の工夫で無限の可能性があるから、レシピ登録すれば王国中で流行るかもしれない♪




「お好み焼き串2本ですね、ありがとうございます♪


おにいちゃん、考え事してないで早く作ってよ、お客さんが凄いんだから!」



レシピの事をのんびり考えているとメリルに怒られてしまった(汗)


さっさとお好み焼き串を作らないとな


鉄板2枚を使ってニィナと共にお好み焼きを作り、出来た物にスミレが割り箸を刺してメリルに渡しているのだが、作ったそばから即売れていく


隣で売っている蒸しじゃが芋も同様にガンガン売れていく


俺は急がし過ぎるのは苦手だ、でもみんなは急がしいのが嬉しいのか楽しそうに働いている


俺も商売繁盛なのは嬉しいけど、、、


楽しそうに働くみんなを見てると、実はこの中で俺が1番駄目人間なのではないかと不安になるから頑張らねば!





ーーーー1時間30分後ーーーー




燃え尽きたぜ、真っ白にはなってないけどな(笑)


お好み焼き串は作るのに時間がかかったから売れたのは80本


蒸しじゃが芋500個


ウィンナーサンド1200個


合計売り上げは、43万4千円になった♪



ウィンナーサンドだけ凄い売れてるのはカスミが頑張ったからだ


エモンズ商会の人を使って売りまくってたからな


俺と一緒にいるときはあんまり自己主張とかしないし、控えめな性格なのかと思ってたけどバンバン指示出してたからな


これはカスミに何か店をやらせた方が良いだろうか?




「みんなお疲れさん、冒険者の皆もありがとうな」


「いえ、今回の原因は自分達かもしれないんですし、少しでも役にたったなら良かったです」


「じゃあこれ報酬な、1人銀貨5枚だからちゃんと分けろよ」



俺は報酬の銀貨を入れた袋を冒険者達に渡す。



「えっ?いやいやいや、いくらなんでも多過ぎっすよ!!」


「今回は急だったし、ここでケチるとピスケス伯爵家の御用商会としての沽券に関わるんだよ、だから遠慮しないでくれ」


「そういう事なら受け取りますけど、やっぱ申し訳ないんですよね」


「それならまだこの街にいるからまた何か手伝ってくれよ」


「はい!!いつでも声かけて下さい!それじゃあ失礼しゃっす!!」




「シンさん、凄い売れましたね!まさかあのヌルッとした物があんなに美味しいなんて思いませんでしたよ!」


「タコヤーさん、ほとんどの食材は適切な下処理と調理法次第で美味しくなりますよ」


「それはさておき、シンさんとメリルさんを初めて見た時から何処かでお会いした事があるような気がしていたのですが


あのウィンナーサンドを見て思い出しました、キャラバンシティでまだお2人だけで露店をされている時に、私もウィンナーサンドを買った事があるんですよ


その時食べたウィンナーサンドの味に感激して、新たなサンドを作れないかと試行錯誤していたのですが、直接では無いにしろ、シンさんにあのような危険な物を売ってしまい面目次第も御座いません」



「確かにあれは酷かったですね


それにしても新しいサンドですか、大抵の食材はパンに挟んだら美味しいと思いますけど」


「ええ、おっしゃる通りなのですが、私達も色々な肉を挟んでみたのです、でもわざわざパンに挟むほどでも無いと言いますか


それなら別々に売った方が手間が省ける分、仕事が楽ですしそういう状況で出来たのが、あの魚のパンです」



「完全に迷走した結果なんですね(笑)でも魚を挟む発想は悪くないですよ、魚の種類もあると思いますし」


「魚の種類ですか?、、、そうそう魚で思い出しました、先ほどウチの者が簀立て漁で捕れた魚を持って来たんです、見て下さい」


「どれどれ、、、これはサバですねしかも大漁じゃないですか、定期的にこれぐらい捕れるなら商売として成り立ちますね♪」


「シンさん、このサバという魚も美味しいのでしょうか?」


「新鮮ですからね、塩を振って焼くだけでも美味しいですよ」


「シンさん、お金は払いますのでどうかこのサバの下処理の仕方を教えて下さい!」


「下処理と言っても凄く簡単なんでお金はいらないんですけど、、、『シャッシャッ、サッサッサッ』っとこんな感じで頭とウロコと内蔵をとって綺麗に洗ってから中骨から身を切り離すだけです、簡単でしょ?」


「なんと?!シンさんは料理人としても一流で御座いましたか」


「大袈裟だなぁ、これに塩を振って皮をパリっと焼けばそれだけで旨いですよ」


「ではさっそく焼いてみましょう、おい火の用意をしろ!」


「ただいま用意致します!」





『ジュワジュワジュワ、ジュワジュワジュワ』


「おおっ!!なんと旨そうな匂いだ♪」


「いいですね、凄く脂が乗ってて美味しそうです、タコヤーさんレモンありますか?」


「えっ?レモンですか、、、」


「レモン知りませんか?」


「いえ知っていますが、薬屋にあるアレですよね?」


「何故薬屋にレモンが?」


「レモンは薬を飲んだ後の口直しにかじるんですよ、良く効く薬ほど苦いですから」


「なるほど、ようはそれと一緒ですよサバの脂がしつこいと感じる時にレモンを絞ると口の中がサッパリするんです。実際に食べて確かめましょう」



「それでは、あーんっと、、、、っ?!


こっここここ、これだ!私が探していたのはこの味です!!


ウィンナーサンドを食べたあの日からずっと考えていたんです!どうすればウィンナーサンドのような美味しい物が作れるのか


このサバを、レタス、キュウリと共にパンに挟みレモンを絞る!


これを、ガブッと、、、うーん?美味しいんですけど、、、何か足りないような」



「そりゃあソースが無いと物足りないでしょうね」


「ソース?!ソース、ソース、何かソースは、、、トマトソース!


トマトソースをたっぷりかけてガブッと、、、


ウマァーーーーーーーーーーイ!!」






つづく。

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