第85話 サウスビーチ
やって来ましたサウスビーチ!
保守派の重鎮、サダルスウド侯爵が住んでる領都サウスビーチ
キャラバンシティから南に140~150キロ来た所にある海沿いの街で
キャラバンシティは初冬だったのにここは初夏って感じで気温が高い
たいした距離じゃないのにこんなに気候が変わるとは、場所によっちゃあ海水浴した後に雪山登山が出来る、そんな場所もあるかもな
とりあえず街に入る為に並ばないといけない、この街は中に入るのにお金が必要なんだ
観光っていう考えが無いっぽいこの国だと、住民税以外の収入はこういう所で稼がないと駄目なんだろうなぁ
「よし!次」
おっと、俺達の番だ
「こんにちは♪」
「見ない顔だな、それに女ばかり5人も連れてるとは怪しい」
まあ他人から見たらそう見えるよね(汗)
「私は商人でして、これ商業ギルドのカードです、3人は下働きの奴隷で、あとは護衛と商売仲間なのですが(汗)」
あんまりウチの子を奴隷と言いたく無いのだが、隠してバレると面倒だからなぁ
「その若さで商人だと?もし嘘だったら罪人として裁かれる、、、おい!このカード本当にキャラバンシティで発行されたものか?」
「ええ、そうですけど何か問題ですか?」
「いや、しかし本物のカードだな、すまんなキャラバンシティの商業ギルドは試験が難しいって有名なんだよ、わざわざあそこで登録しようとする奴なんて年に数人、しかも合格するのはその内1人いれば良いって話だ
だからこそ、キャラバンシティで登録した商人は特別扱いされるんだ、しかもそっちのお嬢ちゃんもカードを持ってるなんて、あんた何者だ?!」
「何者って言われても、ただの商人なんですけど」
「うーむ、そう言われると逆に怪しい」
「おい!この人はただの商人だよ、あたしが保証するからそれでいいだろ?」
「お前が保証したところで、、、っ?!Aランク冒険者のカード?!
しっ、ししししし失礼しました!どうぞお通り下さい!!」
「ダンナ、早く行こう」
「え?いや金払わなきゃ駄目だろ」
「ととととんでもございません、Aランク以上の冒険者と、キャラバンシティで登録された商人は特別にお金を免除されておりますので」
「そういう事、だから早く行こうよぉ」
「おう、しかしケイトってAランク冒険者だったんだな、知らんかったなぁ、そしてAランクの凄さもとかも全然分からん」
「あはははは、やっぱダンナはそうでなくっちゃ!」
まさかキャラバンシティで登録したらこんな扱いになるとは
ミリーさんワザと黙ってたな、どおりでサウスビーチに行くって言ったらニヤニヤしてた訳だよ
そしてケイトがAランク冒険者ってのには、、、さほど驚きは無い
実力があるのは分かってたからな
でもこの街はキャラバンシティと比べて冒険者の扱いが違うみたいだ
キャラバンシティは商人が集まる街だったからか、冒険者より商人が優遇されてたように思う
場所によって必要とされる職業が違うって事なんだろう
さてと
無事に街に入れたのはいいがキャラバンシティと比べるとかなり人通りが少ない、そして活気が無い
キャラバンシティも俺が保存食売ったり、レシピ登録する前はここと似たような感じだったもんな、とりあえず広場の露店を見てまわるか
サウスビーチって言うからには魚貝類を期待してたけど、流石にこの時間に魚を売ってる店は無いか
ここは気温が高いから生の魚を長時間置いて置けないだろうし
となると俺のやりたい事は終わってしまった(笑)
「なぁ、みんなはこの街でやりたい事とかあるか?」
「やりたい事って言われてもなぁ、、、そうだ!ダンナ、あたし冒険者ギルドの図書室に行きたい、キャラバンシティの冒険者ギルドは建て替え中で今は図書室使えないから」
「へぇー、図書室なんてあるのか、俺も本は見たいからついていくよ、みんなはどうする?」
「おにいちゃん、わたしは服屋さんと生地屋さんが見たい」
コサージュを見て以来メリルは洋服作りに興味があるらしく、今はドレスのデザインを考え中らしい
「それではお嬢様は私と参りましょう」
「カスミとスミレはどうする?」
「私も服屋さんを見てみたいです」
「スミレはご主人様と行くー♪」
「それじゃあ日暮れ前に商業ギルド前に集合って事で、スミレ~手繋いで行くよ~」
「はーい♪」
「おにいちゃん、またあとでねー♪」
「あいよー」
「・・・」
「どうしたケイト?」
「、、、なんでもない」
「ほら、3人で手繋いで行こうぜ」
「いいけど、べっ、別に繋ぎたかったわけじゃないから」
「はいはい、俺が繋ぎたいだけだから嫌なら無理に繋がなくていいよ」
「嫌じゃないから!繋ぐから!」
ケイトよ、お前はいつからツンデレキャラになったんだ
しかしケイトは仲間外れってのが相当嫌みたいだな、これって俺がスミレを抱っこしたら、ケイトも抱っこしなければ駄目なんだろうか?
流石に大丈夫だよな?
俺は今とても不安だ(汗)
つづく。
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