第50話 おっさんと双子

朝、目が覚めるとそこには新しい朝、希望の朝だ


ラジオ体操第二をやりたい気分にもなるってもんだ


さあ朝食作りに行くか



「2人とも、おはよう」


「「おはようございます、ご主人様!」」



いつものようドアの外に立っているニィナとスミレに挨拶をする


カスミは今日から朝イチで販売用と朝食用に、だし巻き玉子を作って貰っている




今のところだし巻き玉子は、製麺所で働いているママさん達にしか売っていない


朝食で食べると販売出来るのはそれぐらいしか残らないからだ


現状、だし巻き玉子はカスミひとりで作っている、やはりあと2~3人は作る奴が欲しい



そんな今日の朝食は、白米、だし巻き玉子、自然薯、白菜の浅漬けだ


みんな出汁の味にハマったらしく、最近は出汁で味付けした和食が多い



「ダンナおはよう」


「おはようおにいちゃん」


「ケイト、メリルおはよう、よしみんなそろったな、それじゃあいただきます」


「「「「「いただきます」」」」」




今日もみんな元気にモリモリ食べてるな、最近スミレ用に小さい食器を買ったんだ♪


たくさん食べるのはいいんだけど、何回かみんなと同じ量を食べて苦しんでたからな


流石にあの小さな身体で食べ過ぎるのは心配なんだ



朝食が終われば俺はやる事がある、昨日家の裏庭にテントを張って泊まっていたニックとスナックの双子に仕事を教えるんだ


我が家にはまだまだ空き部屋はあるが、年頃の娘ばかりだからな、男は絶対泊めん!


ニックとスナックも知らない人に気を使うより、テントで2人きりの方が気楽だろうしな


仕事して金が貯まるまではしばらくここでテント暮らしだ。



「おーい、ニック、スナック起きてるかー?」


「アニキ、おはようございます!ほら兄ちゃんも挨拶しなよ!」


「・・・アニキ、おはよう」



うーむ、俺はお前達のアニキでは無いのだが、まあいい


スナックはなんか吹っ切れた感じだけど、ニックは渋々って感じだな


しかもチラチラ俺の横に居るニィナを見ている、怯えているようにも見えるが昨日の事がトラウマになってないよな?


やる気はあるみたいだから問題は無いだろう


今から2人に教えるのはクレープだ、イチゴ、マンゴー、桃の3種類のソースからお好みのソースを選んで季節のフルーツを入れるだけのシンプルな物だ



俺が居なくても材料が手に入るように砂糖は一切使って無い


だからクレープ生地も甘くないからベーコンやチーズ等を入れた食事クレープも売りたいなぁと思っている


2人の頑張り次第ではカスタードクリームやマヨネーズの作り方を教えてやってもいいかなと思っている



「よーし、2人にやってもらうのはクレープを作って売って貰う、と言っても分からんだろうから先ずは俺が作るから見てろよ


熱したフライパンに生地を入れる、直ぐ焼けるから焼きすぎ注意だ、焼けたらひっくり返して反対も焼く、焼けたら具材を乗せてクルクルっと巻けば完成だ!簡単だろ?さあ食ってみろよ」


「いただきまーす♪」


「・・・いただきます」


「旨っ!アニキこれ凄く旨いよ♪」


「そりゃあ良かった、ニックはどうだ?」


「・・・旨い」


「ははは、旨いだろう、旨いものを食えば少しは悩みも、、、減ったりしないけど旨いものを食うのは楽しいだろ?」


「・・・なあアニキ」


「どうしたニック?」


「俺にもこんな旨いものが作れるようになるのか?」


「そりゃあニック次第だな、本気で旨いものを作りたいって思ってるなら出来る、だがその為には練習が必要だな


今から昼までひたすら生地を焼きまくれ!」


「えっ?今からって何枚焼かせる気だよ!」


「心配するな、俺は収納のスキル持ちで作ったクレープは収納しておくし、孤児院の子供達のおやつにするから問題無い!


それに生地が余ってもミルクレープとか用途は色々あるから無駄にはなんないぞ」



「いや、そういう事じゃなくて(汗)」


「なんだやる前から嫌になってんのか?簡単に旨いものが作れるなら誰も苦労はしないぞ?」


「わかったよやればいいんだろ!」


「頑張ろうね兄ちゃん♪」






あっ!


これが上手くいったらこの2人に、だし巻き玉子作らせればいいんじゃね?




ニックにスナック、俺の為に頑張るんやで♪






つづく。

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