リセットケース1 尾方 俊介③

最悪だ!

マジかよ~マジ勘弁してくれよ~


社交性に長けた俊介は、今回ばかりは自分の性格を呪った俊介は、八方美人である!


どんなに平和な地域でも、イジメや派閥は存在する


俊介は、これをいかに回避するかで、YESマンになっていた



危険察知能力にたけ、危ないところにはいかず人間関係は、よくも悪くもない普通の人たちを選び


一緒にいた、今回の転勤は晴天の霹靂、俊介の未来予想図にないものだった


関東圏内にしか幅を利かせてない会社に就職したのにー!


予定が、マジ狂った!

うわ~やだよ、九州とか、行ったことないし

田舎じゃねーかー


彼女になんて言おう、遠距離恋愛とか無理そうだな

あぁ、しかも今夜飯いく約束してた

しらけそ~今日やっぱりついてない


====================




「しゅん~」


「あけみ、待った?」


「ううん、さっき来たよ!今日行くとこずっと前から行きたかったから

楽しみにしてたの!」


「はいはい、新しくできたイタリアンの店だろ、ほんと好きだな~」


「今日行くのは、ミチラン3つ星を取ったお店から独立した

若きイケメンシェフ、神楽さんのお店よ!予約取るのに3か月かかったんだから!」


「俺、そんなに待てないわ~」


「好きなものには、人生かけれるのよ!」




あけみは、1つ下で歳があまりかわらないので、今までで一番付き合いやすかった


食べに行くときは、割り勘できっちりしていて、お互いのやりたいことにお金使いたいから、気をつかわない、付き合いがいいと言われたからだ


俊介は、多趣味で友達も多かったため、あけみとの付き合いは、すごく心地よかった




「メニューは、私が決めていい?」


「俺は、わからんからお任せしま~す」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はぁ~美味しい~」


「確かにうまいね」


ワインをボトルで注文し、残り1杯になり、そろそろ食事を終えるところだった


「美味しすぎてちょっとピッチ早く飲んだから酔ったかも~」


「まだ、時間も早いし、酔い覚ましにコーヒーでも飲みに行くか?」


「いいよ~」




お会計して店をでる、ここも割り勘にするところだったが、今日は俊介が払うと店を出た




「しゅん、ご馳走様でした~良かったの?あの店私が、行きたいところだったのに?」


「まぁ、たまにはいいじゃないか」


駅の近くでコーヒーを飲むことにした



「しゅん、今日なんか静か?だね、なんかあった?」


「、、、ん~実は、今日辞令出てさ、転勤が決まったんだよ」


「へ~よかったじゃん?転勤とか出世するために必要とか聞くよ。おめでと~しゅんの会社、関東圏だよね、どこ?」


「九州、、、」


「えっマジで!」


「来月には、もう移動になるから多分しばらく会えないと思うけど」


「うわぁ~遠距離恋愛・・・」


「まぁ飛行機で2時間くらいだし、会社の報告で月1は戻ってくるからさ」


「、、、、、遠距離恋愛をするの?」


「まぁ、辞令出たからそうなるよね」


「しゅん、私遠距離だけは無理って話したよね?」


「いやそうだけど、それは前のおと」


「前の彼が遠距離になってずっと騙されていたの知ってるよね?

遠距離になったら、別れるって言ったよね?」


「俺は、前の男とは違うから、大丈夫だよ。それに毎月1回は戻ってくるし」


「でもダメなの!無理なの!」


「じゃあ、別れるしかないってこと?」


「そうだね・・・・・」


「はぁ・・・そうかよ、今日はちゃんと話そうと思ってたんだけど

やっぱり、聞く気なさそうだな、わかった」


俊介は、伝票を持って立ち上がり、会計を済ませて店を出て行った




彼女は、ただただうつむいて俊介が立ち去っていくのを静かに見送った


あっけない、別れだった


俊介は、自分は前の男とは違うからきっと大丈夫だと思っていた


急な転勤に、会社の期待、彼女は当然応援してくれて待ってくれるもんだと思っていた




彼女は、前に付き合った男が遠距離になった途端に


連絡が取れなくなっていった、忙しいのだろうと


最初は、彼から連絡が来るのを待っていたが、次第に連絡は途絶えLINEはブロックされるようになった


浮気相手の女が、勝手にLINEを消去していたのだった




心配になったあけみは、彼の家に行ったが、なんと女と同棲をしていたのだった


彼の言い分は、連絡がなかったから俺がフラれたのだと思ったそうだ


でも、あけみの元カレはすでに浮気をしていて


連絡がないからと、あけみに連絡をしなくなったのが、すれ違いの原因だった


あけみは、結婚まで考えていた彼、出世にために見送り


我慢をしていたのに、裏切られた2年間


まだ若いんだからと、職場の先輩や友達に励まされたが、2年もの間、自分がいながら平気で浮気をして、たまにこっちで会った時にいい様にされていたのが許せなかった


あけみは、転勤がなくあってもすぐ近くにいる相手かを選んで、彼を選んだ、俊介にも当然この話を前提に、遠くに転勤になったら別れると告げていた




俊介は、信用が出来る人だったが、あけみがトラウマを克服できなかった


ただ、それだけである

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