第11話(ラウラ視点)同衾と夜更かし






 もう私たちも10歳にもなれば身体が大きくなる。

 だから…………、



 ベッドには私とエルヴィンだけ。

 二人きりだ。


 周りのベッドには他の子もいるけど、明日は休日。

 ちょっとくらい夜更かししてもいいだろう。


「ねぇ」


「なんだ、ラウラ?」


「キス10回」


「…………」


「…………」


「アレ、本気だったんだ」


「うん」


「今日中?」


「うん」


 仕方なさそうにしてエルヴィンは徐に手を伸ばす。

 彼は私の身体をを引き寄せると、私の後頭部に手を廻した。


 押さえつけられるようにして強引に、私の唇を彼の唇で塞がれる。

 エルヴィンの鼻息がくすぐったい。


 エルヴィンはきっと意地悪をしている。

 さっきからやけに強い力で私の頭を押さえつけているのだ。

 だから私も彼に手を伸ばして抱き着く。

 彼の胴の上に移動して体重を預ける。

 そうして彼の唇を上から抑えるのだ。


 彼も次第にキスで苦しくなってきたのか私の背中をポンポンと軽く叩く。

 だけど、それで逃してやるものか。

 だって、先に仕掛けてきたのはエルヴィンじゃないか。

 言い出したのは私だけど。


 私は両手で彼の頭部を左右で挟んで抑え込む。


「うっ……?」


 舌を伸ばして彼の口の中に割り入れれば、彼は小さな声を上げた。

 私は彼の前の歯茎、前歯の裏、上の口蓋を順に舐めまわす。

 次第に、口腔の奥の方に逃げていた彼の舌がおそるおそる戻ってくる。


 舌と舌が触れあうと、ザラついた感触がする。

 私の舌は彼の舌を求めるように襲い掛かると、彼も誘いに応じた。

 二人の口の中で二人の舌が演舞する。


 私は湧き出す唾液を落とし、彼に飲ませる。

 届く限りの彼の口の中を私の舌が蹂躙する。


 もう私の口の周りはべとべとだ。

 誰の唾液か分からない。

 獣はどっちだ。


 途端、エルヴィンが私を引き払い、うつ伏せになる。


「ゴホッ、ガホッ……、ゲホッ…………」


 私の唾が気管に入ったのだろうか。

 彼はむせた。


 だが、私はそんな彼が愛おしい。


「んんっ……!」


 彼が見せる、無防備なうなじを私は大きく一舐めした。


「…………っ」


 もう一舐め。

 そして、まだシーツに顔を埋める彼の頬に、更にキスを落とす。


「ラウラっ!」

 小声ながらも、若干の怒気をはらんだ彼の声。


「……⁉」


 彼は再度仰向けになると、私を強く抱きしめる。

 罰のつもりか。

 彼は力任せに私の背中に廻した腕を締め付ける。


 ちょっと苦しい。


「ふんっ…………、」


 彼は更に私と脚も絡め、力いっぱい肌を密着させる。

 もう、私の足が痛み始める。

 このまま彼に力任せに抱きしめられていたら、骨が折れるんじゃないだろうか。

 間接が痛むんじゃないだろうか。

 あばらが折れるんじゃないだろうか。

 内臓がつぶれるんじゃないだろうか。


 もっと。

 もっと、強く抱きしめて欲しい。


 フフッ。

 フフフフッ。


 フフフフフフフッ。


 そうやって、あなたの力で、私を壊してっ!

 力のままに、私を抱きしめてっ!


 私を殺してっ!




 だけど彼は徐々にその力を緩め、私の背に廻された手がダラリと落ちると、寝息を立て始めた。




「あと8回は残ってるんじゃない……、キス?」









 ———————————————



 あとがき



 僕とデ●ープ●スしてくれる美少女大募集!


 ※作者は「(彼女いない歴)=(年齢)」です。


 ※作者の記憶にある、女子との最後の会話

 作者「あの~」

   「うわっ……、サイアク」

   「アイツ、マジキモイんですけど?」

 作者「うわぁあぁあぁぁぁぁぁぁああーーーーーーん!!」





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