vol. 04 青年海外協力隊とJICAとODA ①

知っている部分も多々あると思いますが、念の為も含めて色々と説明しますね。


はじめに、"青年海外協力隊"は国の事業でして、外務省管轄下組織である独立行政法人国際協力機構(Japan International Corporation Agency)、通称”JICA”によって運営されています。


多分JICAって名前は聞いたことありますよね?


このJICAってそもそも何をやっている組織かって知ってます?この組織、青年海外協力隊以外にも、実はめちゃくちゃ色々やっているんですよ。


色々やってるって具体的に何?って。


えーとですね、適当なこと言うとあれなので資料から拝借しますが、


---

JICAはODAのうち、国際機関への資金の拠出を除く、二国間援助の3つの手法、[技術協力][有償資金協力][無償資金協力]を一元的に担っています。世界最大規模の二国間援助機関であるJICAは、約90ヵ所にのぼる海外拠点を窓口として、世界約150の国・地域で事業を展開しています。

(https://www.jica.go.jp/publication/pamph/about/ku57pq00002ir32s-att/jica_profile.pdf)

---


要は、JICAはODAの実施組織であって、特に「技術協力」「有償資金協力」「無償資金協力」業務を担っているんですね。青年海外協力隊はその業務の内の「技術協力」の一部にあたるんですよ。


いきなり専門用語出てきてわからないですよね。

激しく同意します。

ただ、今の段階で全てを理解する必要はないです。とにかく、青年海外協力隊事業はJICAの事業の一部であること。

そして、もう少し詳しく踏み込むと、青年海外協力隊はJICAの行っている「技術協力」の一部であるということです。


一部ってどれくらい?

あぁー

良い質問です。


そうですね。。。

ミナミさんも、、、名前で急に呼んですみません。

ただ、許して欲しいです。(だってなんて呼べばいいんですか!?)

とにかく、ミナミさんも会社に勤務されてますし、この質問については資金面で説明します。

ただ、こんがらがりそうなところでもあるので、まずはJICA全体と青年海外協力隊事業という比較で行きますね。その後に「技術協力」における青年海外協力隊の比較も追って説明します。


前述の通り、青年海外協力隊の運営元はJICAになりますが、このJICAは外務省管轄組織の為運営資金は主に税金(たぶん国債も含んでる)から捻出されており、例えば2021年度はJICA運営費交付金等を対象として1,517億円が外務省を通して予算をあてられています。

(尚、この金額にはJICA保有施設への施設整備費補助金の多分10億くらいも含まれています...)

また、無償資金協力事業に対しては1,632億円。

そして有償資金協力においては、総額1兆5,000億円が予算としてあてられてます。


故に、JICA全体で見るとなんと約1兆8千円規模の事業規模になっているわけです。

(https://www.jica.go.jp/press/2020/20201221_30.html)

(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100140068.pdf)


※ちなみに、日本全体の2021年度予算は106兆6097億円ね。


その中で、青年海外協力隊の運営費は?と言うと、運営費交付金の一部を使って行われており、ちょっと古いデータになるのであれですが、平成27年度の場合、運営費交付金が1540億円に対して、”ボランティア事業経費の実績値は約124億円(JICA統計)”。

(https://www.jica.go.jp/volunteer/outline/qa/index.html)

従って、運営費交付金比で約8%がボランティア事業に割かれたってことになります。

たった、8%なんです。

※同年のJICAの財務諸表見ると微妙にボランティア事業経費(国民参加型協力関係費)と値が違うけど、理由はわからん。


勿論年度によって、予算も何も変わるから同じ割合ではないですが、おおよそ10%程度がJICAにとっての青年海外協力隊の事業規模なんですね。


私は昔、「JIAC=青年海外協力隊だけやっている組織」とか思ってたんですが、事実としてJICAにとっては青年海外協力隊は、事業のごく一部でしかないってことになります。

これって、知ってました?


そして、そもそも”ODA”て何かわかります?

中学校くらいの社会の教科書に出てきましたよね。

これって説明できます?

私はODAが”政府開発援助”と呼ばれることしか知りません。

普通に生活してて、政府開発援助について調べたりするのってよっぽど奇特な人じゃないですか。

ただ、この"ODA"ってのがさっき私が説明したメリットを協力隊運営組織としては声高に言えないところに関係していると思っています。


まずODAについて説明しますね。


内容は引用しますが、


---

開発途上国の社会・経済の開発を支援するため、政府をはじめ、国際機関、NGO、民間企業などさまざまな組織や団体が経済協力を行っています。

これらの経済協力のうち、政府が開発途上国に行う資金や技術の協力を政府開発援助(ODA:Official Development Assistance)といい、次に挙げる3要件を備えた政府間ベースの援助が、ODAの定義(経済協力開発機構(OECD)下の開発援助委員会(Development Assistance Committee:DAC)による定義)とされています。


-政府または政府機関によって供与されるものであること

-開発途上国の経済開発や福祉の向上に寄与することを主たる目的としていること

-資金協力については、その供与条件のグラント・エレメント(※)が国・機関別の設定基準を満たしていること

(https://www.jica.go.jp/aboutoda/jica/index.html)

---


はい、長いー


要はODAって途上国が発展する為の経済援助の内、政府が行う資金や技術の協力のことを言うんです。

民間企業が途上国の支援とかやったりもしますよね。

あれはODAの定義には含まれないってことになります。


引用文にもあるんですが、このODAは形態的に

[二国間援助]

[国際機関への出資・拠出(多国間援助)]

に大分されて、少し前に言いましたが、JICAはこの内の二国間援助形態である、”技術協力”、”有償資金協力”、”無償資金協力”の部分を担当/実施している機関になるんです。


じゃなそれぞれ、

”技術協力”

”有償資金協力”

”無償資金協力”

って具体的に何しているの?って話になるじゃないですか。。。。。




「ちょっと待て」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る