夜が更けていく

夜に澄ませて

そっと耳を

カーテンを開けてごらんよ

月が囁いているから

君にだけ聴こえるように

そっと囁いている


夜に溶けていく

気づかれないように

ワインを空けてごらんよ

喉を潤してみれば

あの夜の口づけの後のように

切ない甘さだけが残って


夜が更けていく

そっと秘めやかに

自分に質問してごらんよ

最後に言った

心からのありがとうは

一体いつだったろうって


夜がこだまする

何度も何度も


カーテンは開けたままで

待っててごらん

少しぐらい夜更かししても

大丈夫

きっと大丈夫


流れ星のような

言葉がそっと

君の心を通り抜けて

本当の自分の心に

こだまする


夜に澄ませて

そっと心を


最後に言ったのは

一体何のためだったか

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