青年終末記

金橋御調(かなはし みつき)

あらすじ

人と人の戦いとゆうのは、人類が歴史を紡いできた中で身をもって体感した一番醜い、人としてのありさまだと俺は思う。

 思想が違う勢力同士が、敵として同じ人間を殺し、略奪の限りを尽くす。そして勝利を手にしたその勢力の権力者は、地位と名誉を手にする。そんな血で血を洗う世の中で本当に良いのだろうか?それは断じて否だ。許されるはずがない。

 だが、そんな生産性のない争いをすることが、今の世界、地球の現状である。

世界各国は。地球温暖化などの環境問題を止めることができず、ほぼすべての地域が砂漠化した。

 その中でもまだ緑が残ってる地域をコロニーと呼んだ。コロニーは大抵一つの国に三つほどありその中でも一際大きいものを首都とすることになった。

  住む場所が見つかりはしたが、食物を育てる土壌や家畜を育てるための餌がないので、世界は食糧危機にある。

 ただ、食料危機の原因はほかにもある。

それは、人々が砂漠になった地域を探索してないからである。

 砂漠といっても、昔の文明の名残は各地にあり、倒壊したビル群、工場、地下の施設などは生き残っているはずだ。

 それらの内部を探索すれば、食料などいくらでもありそうなものだが、人類は頑なに探査をしようとしない。

 それもそのはず、文明の名残は基本的に首都から遠い場所、1000kmほどのところにあるものが多いからである。

 そんな地球で生きられるはずもなく、人間は戦争を始めた。

 自室の窓の外から悲鳴や叫び声が聞こえるようになった。

 コロニーへ帰ってくる兵士たちは、みな返り血を浴びていた。

 自分の父親、いとこ、友人、様々な人が命を落とし、その度に俺はもがき、苦しんだ。

 コロニーが小さい国は、各国から袋叩きにされ、次第に国の数も減っていた。

恐らく、現在の世界人口は500万人に満たないだろう。

 戦争を始めた時点で、我々子供たちに未来はなかったのかもしれない。

 すでに、大人たちは政府によって洗脳されており戦争は善とゆう考え方が定着していったからである。

 この洗脳は、どうやら18歳未満の子供には身体的外傷ができてしまうらしく、危険性を考慮して、洗脳は行わなかったらしい。

国々のトップは戦争は悪だと考える子供たちを危険視していった。

 様々な国がそんな思想を持つ子供たちの対処法を考えた。

 ある国では殺し、ある国では隔離する。

 各国が子供に関する政策を発表する中、日本政府も遂に発表した。

それは、十八歳に満たない子供を首都から一万五千キロ離れた、過去の文明の跡地に捨てる、とゆうものだった。

とてもばかげている。

 外には砂漠しかない。

「こんな政策が通るわけがない。通ってはいけない」

そう思っていた。いや、願っていたに近いだろうか。

 大人たちの洗脳の効果もあるだろうが、政府の力は思った以上に強かったようだ。

なんと、一週間しないうちに通ってっしまった。

意味がわからなかった。

 理解ができなかった。

コロニーから逃げようと思ったりもしたが、どのみち外の世界で暮らすことになるのだから結末は一緒だと悟った。

 様々な可能性が脳を巡らせて、頭の整理がつかないまま、その政策が発表された一時間後に政府によって連れていかれた。

 目隠しをされ、十分ほど歩いたところで止まった。

 40代程の男性が言った。

「この乗り物に乗れ」

中はとても騒がしかった。

「助けてくれ!こんなことして何になるんだ!」

叫ぶ男子学生。泣きわめく赤ん坊。絶望する女子学生。様々な人種の子供がいた。

そんな言葉には聞く耳を持たない、数十人の大人たち。

 三十分ほど移動したところで、一人の大人がズボンのポケットに手をやった。

 明らかに他の大人とは違う雰囲気の格好をした、男性だ。現場監督といったところか。

 そんな男が中から出したのは、拳銃だった。

 次の瞬間、大きな破裂音とともに、さっきまでわめいていた男子学生が撃ち殺された。

一瞬だった。

 頭から血を流して、さっきまで騒いでいたのにピクリともしなくなった。

その時、周りが静まり返った。

五秒ほど時間が経った時、さっき男子学生を撃った男が言った。

「いいか、よく聞け。次口を開いた奴は撃ち殺していく。これは政府の命令だ。我々を恨むな」

 この状況にその当時は絶望した

「どうして俺はこの異常な政府に気づけなかったんだ」

 いや、気づこうとしていなかったのかもしれない。

この感情と同時、俺は決心した。

「復讐してやる」

そう、この世界の性根の腐った大人たちを正し、悪を滅するために。

これは戦争の物語ではない、捨てられた子供たちによる悲劇の物語である。

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