ガチ日記
平蕾知初雪
2022.9.28
歯医者終わり。
帰りに同級生の展覧会に行った。じっくり観られたし、作品はどれもめっちゃ良くてめっちゃ悔しかった。
コロナ禍に入ってから生活が変わって、こんなことがあった、こんな経験をした、こう感じた。それが全部作品の栄養になっているのがわかった。
いちいち全部羨ましい。
私はどんどん体調が悪くなって、できなくなったことが増えて、なんやかんや諦めたことばっかり覚えている。あとシンプルに「どこどこへ行った」というのも羨ましい。私マジで病院以外どこにも行ってない。なんなら一生海外には行けそうもないって諦めたとこだわ。
なのに、私の分身と彼女の分身はいまだに近しいところにいる。
私には何体か分身がいると思っていて、少なくともイデア界とロンドンに一体ずついると信じている。たぶん他にもスイスの超高い山の上とか冷たい湖の底とかにもいるとおもうんだけど、そのうちのどこかで私と彼女はちょっと近いところにいて、同じ景色を見てるのがわかった。
偶然にしては出来過ぎなくらい私たちが無意識に選んだ言葉と視線の方向はリンクしていたし、卒業以来ずっと会ってないし話してもいないのに最近よく使う差し色がかぶっていた。
まあたぶん半分くらいは私の一方的な思い込みと妄想だけどそれはいいわ。
それだけの近しさをもってしても私は彼女になにひとつ敵わない。
言葉に対して、ひざを突き合わせて向き合う時間が圧倒的に足りていないと思った。
それに比べると膨大な時間を絵に費やしてきた。ずっと絵のことを考えながら絵を描いていた。
結局自分の文章に自信がないのはそのせいなんか。それはもちろん最初からわかってはいたけど、改めて思い知らされると気が遠くなる。
でも、映画にも美術にも小説にも、他のことにも沢山の時間を費やしてきたことも同時に思い出した。
病気になってからというのか大人になってからというのか微妙だけど、映画も小説も私は全然積極的に観ていない。1年以上観ないこともある。
でもだからってツタヤでDVDを借りまくっていたことや、スペイン映画が全体的に暗いなって気づいた日のこと、友達の家に泊まった時初めてシックスセンスを見て「すげー!」って騒いだこと、パンズラビリンスのラストがハッピーエンドかバッドエンドかで多数決を採ったらハッピーエンド派が私だけで納得いかなかった憤り、LotRの狼煙のシーンで涙が出た感覚、アズカバンの囚人のエンドロールが可愛くて目が離せなかったこと、長年タイトルが思い出せないけどミニシアターで観た映画に出てくる女にだんだん自分が似てきて嫌になることも。
それは全部本当にあったことだし、私が年に数えるほどしか映画を観てないからって感じたものまで無くなるわけではない。
なんか観てないくせに好きっていうの抵抗あってあまり昔好きだった映画やよく読み返していた本のこととか口に出さなくなっちゃったんだけど、そういうの良くないね。本当に忘れそうになる。それは本当に良くない。
書いたらすっきりした。マジで良い絵だったな。在学中の作品は全然覚えてないのに。
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