願いのノート
奏〜カナエ〜
セールス
家で暇を謳歌していたらチャイムが鳴った。宅配便かと思いドアを開けたらセールスマンが立っていた。ちゃんと確認してからドア開けりゃよかった、、とか思いながら
「なんですかぁ?」 と、めんどくさそうに。
「お客さまには願いがありますか?お金持ちになりたい、幸せな家庭を築きたいなど」
第一声がこれはうさんくさすぎて逆に興味が出てくる。面白がって少し聞いてみることにした。
「私はそんなお客様の願いを叶えるノートを販売しております。ノートに願いを書き込むだけでその瞬間には叶っているのです。そのうえ、叶えられる願いの数に上限はありません。」 これに騙される客いるのかよ?
「ただし願いを三つ叶えるごとに災いがお客様自身に降り注ぎます。災いは願いの大きさに応じて強くなります。くれぐれもご注意下さい」 ちゃんとデメリットもあるのか。
「そんなノートをいまなら一冊300円で販売しております!!どうですか?!」 と、急に大きな声で迫ってきた。隣の部屋に住人いるのにうるせぇなと思いながらも、300円なら安いしノートとして使えるからいいやと思い
「へー。すっごいですねぇー、買いますよ」
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扉を閉めてまた無駄遣いしたなぁと少しの後悔を持ちながら机にノートを広げた。三百円なだけあって紙はしっかりしていた。叶うわけないと思いながらも願い事を書いてみる。
[百億円欲しい]
顔を上げたら百億円があった。
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