第23話剣を学ぶ上
3歳頃から日課にしている。
「お初にお目にかかりますユーサー様。公爵閣下の命により、本日より剣術指南を務めさせていただきます。ノーフォーク公爵騎士のデニス・ベルカンプと申します。恐れ多くも公爵閣下より大騎士の位階を賜っております。本日から剣の稽古を付けに参りました」
「今日からよろしく頼む。デニスは俺の先生……師匠になるんだ俺の事はユーサーとでも呼べばいい。他人の目がなければ呼び捨てでも良いぐらいだ」
俺がイメージする武芸の師匠と言うのは、先生や師匠と呼ばないとキレてくる。脳みそが前時代で停止した頭の固いヤツと言うイメージだ。
「分かりました。基礎稽古から始めるか打ち合いから始めるかどちらが良いですか?」
デニスは静かに返事をした。
「勉強でも何でもそうだ基礎を疎かにしては、どれだけその後に努力しようとも土台が不安定になってしまう。座学が必要ならば座学からでもいい。俺は兎に角一から学びたい」
幸いな事に俺は、公爵の血を引いている。軍を率いる一軍の将や行政能力を求められる事があっても、前線で敵を斬る兵の役割は求められていないのだ。焦る必要はない。ゆっくりであっても、着実に強くなっていけばいい。
「ユーサー様の従兄弟殿は、基礎は好まれないので意外です。では騎士の階級を軽く説明します。騎士とは本来。高価な馬と剣や槍それに鎧などの装備を自前で、揃えられた富裕層の騎兵を指す言葉でした。
現在では、騎乗し戦う指揮官や決戦兵種を指す。複雑な者になっています。現在では【
【
この世界でも騎士階級は騎兵から生まれた事が分かった。
騎士はあくまでも兵種でしかないので、剣術や槍術だけの上手さで決まるわけでもないと言うのは、当たり前だが為になる話だ。デニスが俺に教える事の出来る最下級の【大騎士】だったとしても、剣だけを比較すればもっと上手い奴がいるという事だ。もし剣が物足りなくなったら新しい先生を見つけて貰おう。どうせ父の冒険者時代の伝手を使えば、良い先生は見つかるだろう……
「昇級するにはどうすればいいんだ?」
「魔法は目に見えて出来る事が変りますが、例えば剣は上級剣士にもなれば岩をも斬る事が出来ますが、騎士は剣以外にも弓や槍、乗馬技術、作戦立案能力が求められるため基本的には、自身の階級よりも上位の推薦者と試験官が必要になり、それを貴族家が追認する形式で階級が上昇します。なので昇級したばかりの騎士同士が戦ったとしても、同じレベルであるとは限りません」
前世のテストのように、剣術50/100点。弓術50/100点。槍術50/100点。馬術50/100点。戦術50/100点。魔法50/100点。総合600点中300点取って昇級する奴もいれば、400点500点取って昇級する奴も居ると……しかも合格点に届けばいいので剣術や弓術、槍術はダメでも他で合格してくる。騎士とは名ばかりの魔法騎兵みたいな奴も居ると……
しかも試験官の匙加減でその点数が変るとか……前世の悪習である。内申点や推薦入試見たいなもんだぞ? 騎士と言う将校の絶対数が増えなければ、軍を大きくしても命令が行き届かなくなる。より親が騎士や貴族の者が後を継ぎやすくなり、特権階級化し不正の温床となる悪循環に陥てしまう。
今はまだ始めるつもりはないが、教育改革をしなければいけないのかもしれないな……
統治し管理する
現在の愚民政策を
「どうされましたか?」
デニスは心配そうな顔で俺に問いかける。
「デニスの言う通りだとすれば、本来必要な能力に届かなくても昇級出来るようになってしまう。コレは軍としては問題だと思ってな……」
俺は今考えていることをデニス対して口にした。
「確かにそうですな……公爵になられてから改善されるか、そうですね……閣下に提言されるのはいかがでしょうか?」
「うーむ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます