第121話 ピリカの作った玩具達
案内された部屋は先程私達がいた場所の2倍以上のスペースが設けられていた。
そしてこの部屋に並ぶ魔術具の数々。これらすべてが玩具だと言うのだろうか?
その数はざっと見ただけでも50はある。そのどれもが違う形状をしていると言うのだから、ピリカは玩具を創るのが好きなのだろう。
部屋を案内したピリカを見てみれば、両手を腰に当て胸を逸らしてとても自慢げにしている。
「どうだい!アタイが丹精込めて作って来た玩具の数々は!?」
「壮観という言葉は、こういう時に言うべきなんだろうね。これだけの数の玩具を、よくぞ一人で作り上げてきた物だよ。ここにあるのは、商品で良いのかい?」
「モッチロンッ!存分に見てってくれよっ!」
「実際に使ってみても良いかな?」
「棚に置いとくだけの物は玩具とは言わないんだよっ!玩具なんだから使ってなんぼだろっ!?アタイの魔術具は頑丈に作ってんだから、アンタは心配せずに使ってみりゃいいのさっ!使い方もすぐ傍に描いてあるからなっ!特に説明が掛かれていないヤツは、魔力を込めてやるだけで動き出すヤツだよっ!」
玩具は使ってなんぼ、か。なかなか心に響くセリフを言うじゃないか。ピリカの玩具に対する情熱がこれでもかと伝わってくるな。
どれ、早速近場の玩具から手に取って動かしてみよう。
・・・いや、これ凄すぎないか・・・?
本で読んだ玩具というのは、せいぜい魔力を込めると不規則に転がり出す玉だったり、小さな樹脂を固めて作られた球を極小威力で射出するような物ばかりだと思っていたのだが、ハッキリ言って次元が違う!
最初に目に付いた一番近場にあったのは全身に見た事も無い金属鎧を装着した、騎士を彷彿とさせる人型の模型だったのだが、この騎士の模型、非常に精巧に作られているだけでなく、鎧の着脱まで可能なのだ。しかも他の同規模の鎧と互換性がある!
凄まじいのはここからで、何とこの模型、鎧を外した状態で魔力を込める事で、ひとりでに鎧が人の模型に装着されていったのだ!
正直、見ていて非常にカッコ良かった!
さらに、鎧が装着されるだけでは終わらない!この模型、実際に魔力を通して操作する事が出来るのだ!
つまり、同じ玩具を用いれば、この模型同士で対戦が出来るという事だ!
とても面白そうじゃないか!鎧に互換性があると言うのなら、鎧を自分好みの見た目にする事だって可能な筈だ!
眺めて良し、動かして良し、対戦して良しと、実に素晴らしい玩具だった!
これは絶対子供が喜ぶやつだろう!特に騎士が好きな男子だったら、心を鷲頭紙にして放さない筈だ!
最初に手に取った玩具の時点で既にベタ褒めしているが、勿論欠点もある。
正直、値札を見て驚愕したのはこれが初めてじゃないだろうか?
この模型、模型と鎧の一セットで値段が何と最低でも金貨300枚だった。
私もそれなりの金額を稼いだと思っていたのだが、とてもじゃないが手の出せる値段じゃない。
どう考えても高位貴族ぐらいにしか買えるような玩具ではないぞ、これは。
「素晴らしい出来栄えなのは間違いないのだけど、値段もとてつもない事になっているね。最低でも伯爵級でも無ければ購入できそうにないよ。」
「アンタ、メチャクチャ"マギモデル"の操作が上手いなぁ!それだけ出来るならすぐにでもマギバトラーになれるぞっ!?」
何やら知らない単語がいくつか出てきたな?
ピリカの言葉から、この模型は"マギモデル"という事が察せられる。
そして私が思った通り、この模型を操作して対戦する事も遊び方の一つとしてあるようだな。
では、このマギモデルを扱い対戦する者を"マギバトラー"と呼ぶ、という事か。
私の操作が上手いと言っていた辺り、おそらくこのマギモデルの操作には緻密な魔力操作を要求されるのだろう。
大分時代を先取りした玩具ではないだろうか?
このマギモデルを用いて対戦する催しがあるという事は、マギモデルを取り扱っているのは、この店だけでは無い、という事だろうか?
「ピリカ、このマギモデルというのは、他の魔術具店でも取り扱っていたりするのかい?」
「んあ?あぁ、一応置いてある事はあるけど、正直言ってアタイの作ったマギモデルとじゃ性能が雲泥の差だね!なんせ、マギモデルを作って広めたのは、他ならぬアタイなんだからね!まだまだ解析が出来ちゃいないのさ!」
なんと。ここにある玩具が皆、ピリカが作った物なのだから当然と言えば当然だが、このマギモデルを世に知らしめたのがそもそもピリカだったとは。
これは、他にもピリカが世に広めたピリカ作の玩具がありそうだな。
ピリカの玩具について思いにふけっていると、不意にピリカから声を掛けられた。何か提案があるらしい。
「なあなあ!アンタさえ良けりゃ、アタイが良いとこの貴族にアンタの事を紹介しようかっ!?マギモデル、気に入ったんだよなっ!?マギバトラーとして雇ってもらったらどうだっ!?」
「とても気に入ったのは確かなのだけど、私も色々と理由のある身でね。少なくとも、今は貴族と関わるつもりは無いんだ。今日は、家にいる走るのが大好きな女の子のためのお土産として、玩具を探していてね。」
マギモデルは、ピリカの中でもかなり自信のある作品なのだろうな。実際にとても素晴らしいものではあったし、得意になるのも頷ける。
彼女としてはそつなくマギモデルを操作できる人物が珍しいのだろうな。私が断りの言葉を述べると、とても残念そうな表情をした。
「そっかぁー。アンタほど綺麗にマギモデルを動かせるヤツなんて見た事無かったからなぁ・・・。アンタも分かる通り、ソイツは貴族の男子に大人気の商品でね。中には大人まで夢中になる奴がいるぐらいなんだ。」
「それはそうだろう。大人だってコレには心躍ると思うよ?それに、対戦するだけじゃなくて、このマギモデルを用いた劇だって、やろうと思えばできるんじゃないのかい?」
「へっ・・・?ど、どういう事っ!?く、詳しく、詳しく聞かせてっ!?」
私がマギモデルの使用用途を尋ねたら、そういった使用法は想定していなかったのか、一瞬思考が停止した後に凄まじい勢いで私に詳細を訪ねてきた。
「ああ、マギモデルを魔力を通して操作できるのなら、マギモデルに物語の内容を演じてもらったらどうかと思ってね?確か、そういうものを劇というのだろう?私はまだ劇という物を見た事が無いけど、小説などの内容を演じる事でより物語を楽しむ事が出来るよ聞いているよ?」
「お、おぉ・・・そうだな・・・つ、続けてくれ・・・っ!」
「マギモデルというのは、外見が製作者の好きなように作れるのだろう?だから、物語の登場人物に理想的な外見を用意して演じさせてやれば、かなり映えると思ったんだ。」
私がなんとなくで思いついた事をピリカに伝え終わると、ピリカはしばらく呆然とした後、顔を俯かせて震えだし、そして―――
「アンタ・・・アンタ・・・ッ!なんっつーモンを思いついてくれちまったんだよぉ!?そんなの、バカ受けするに決まってんじゃんかよおおおっ!?んぅうううう、うおおおおおっ!!燃えてきたぞおおおおっ!!創作意欲がドンドン湧き出てくるぅううううっ!!」
今までで最も高いテンションで叫び出すピリカの様子は、一目見て女性と言われても首を傾げてしまいそうなほどに興奮してしまっている。
元からやや粗い口調だったのだが、お淑やかと言う言葉とは無縁の状態だ。
「ピリカ。燃えているところ悪いのだけど、そろそろ他の玩具も見させてもらって良いかな?」
「ハッ!?そ、そう言えばそうだったね・・・。アンタは家の子のために玩具を探しに来たんだったか。」
「ちゃんと聞いていてくれてたみたいで良かったよ。それで、私が言ったような娘が喜びそうな玩具ってあるかな?」
創作意欲が沸きに沸いているところに水を差すようにして済まないが、私の目的はマギモデルでは無いからな。
いや、とても気に入ったのでいつかは手に入れてみたいものだが、今では無いと言う話だ。
とにかく、ピリカに声を掛けて落ち着いてもらった後に、ウルミラが喜びそうな玩具に心当たりがないか聞いてみる事にした。
「それなら、コイツなんてどうだっ!?コイツはなぁ、なかなか捕まえるのが難しいんだぜっ!?」
そう言ってピリカが見せてきたのは直径60センチほどの球体だった。私に向けている部分だけは深さ1センチほどの窪みが直径20センチほどの広さで出来ている。
私が想像していた魔術具の玩具と同じような物が出てきたが、どう考えても同じような品質なわけが無い。
何故ならば、この玩具を紹介している時のピリカの表情も先程までと同様にとても得意げだからだ。
「コレも触ってみて良いのかな?」
「勿論だぜっ!ついでに魔力を流してみても良いんだぜっ!むしろやってみてくれよっ!マギモデルをあれだけ上手く扱える奴がコイツに魔力を込めたらどうなるか、見てみたいんだっ!」
つまり、この玩具は魔力を込めた者によってその動きが変化するという事か。
さて、私の魔力をそのままこの玩具に込めても大丈夫だろうか?
強度も心配も勿論あるが、そこはちょっとやそっとの事では壊れないと言っていたピリカの言葉を信用させてもらうとして、魔力を込めた者によって動きが変わるのであれば、例え二色分とは言え、私の魔力をそのまま込めたら大惨事になってしまう気がする。
ここは、ごく少量の魔力を込めるだけに留めておこう。
ああ、そうだ。ピリカの言葉を信用していないわけでは無いが、万が一という事もある。この球に『不懐』も掛けておこう。
「うん?どうしたんだい?アンタならもっと魔力を込められるだろ?コイツもヤンチャなお子様が派手に扱っても良いように頑丈に作ってるんだ!そうそう壊れはしねえって!」
「いや、ピリカの言い方だと、この玩具は魔力を込めた者によって動きが変わる仕様なのだろう?私の魔力を込めた場合、この場所が酷い有様になるような気がしてしまってね。まずは様子見というヤツさ。」
「ふ~ん。慎重だねぇ・・・。他の玩具も頑丈だから、ぶつかったりしても大丈夫なんだけどなぁ・・・。」
「それでも勢いよくこれが他の玩具達にぶつかってしまった場合、盛大に散らかってしまうだろう?片付けは、きっと手間になると思うよ?」
「う゛っ・・・。片付けの事考えてなかったな・・・。分かった!んじゃ、込める魔力はそれで良いとして、軽くその球をその場で放り投げてくれ!」
言われた通りに球を放り投げて手放してみれば、驚いた事に少ししたところで球の動きがピタリと止まってしまったのだ。
地面にはついていない。
そう。空中で止まっているのだ!風も起こしているわけでも、何かを噴射させているわけでも無いというのに、一体どうやってそんな事を可能にしているんだ!?
「どうよ!アタイの作った"ファニール君"は!スゲエだろっ・・・
ってえぇーっ!?!?う、浮いてるぅーっ!?!?何でえぇーーーっ!?!?」
貴女も知らないんかいっ!?
いや、本当に何がどうしてこんな事になってしまっているんだ。
とにかく、この球体はファニール君というらしい。使用者の魔力に反応して使用者から一定距離を保とうとするうえに、触れようとしないでいると、触れる事の出来るギリギリの位置まで近づいて来て、使用者の周りを動き回るらしい。
そして使用者を含め誰かがこのファニール君に触れようとすると、使用者のすぐ近くで動き回っていた時とは打って変わって、まるで相手の動きが分かっているかのように動き、触れようとした者から離れてしまうのだそうだ。
正直、それはかなり鬱陶しくないか?
触れる気が無いのにすぐ目の前でコロコロと動かれたら、使用者を煽っているようにも見えるのだが・・・。しかも触れようとすると途端に離れるというし・・・。
だがまぁ、元からその仕様を分かっていて、触れるための遊びで、というのなら問題無いのか?ウルミラなら喜んで走って追いかけていきそうだな。
果たしてこのファニール君は、ウルミラ以上の速度で動く事が出来るのだろうか?
考え事をしていて微動だにしていなかったためか、自分に触れようとしない、とファニール君に判断されたのだろう。此方に近づいて来て、窪みを私に向けながら私の顔の周りを左右に動き回り始めた。
その際、音程を変えながら少し低い鳥の鳴き声のような音を出しながら私の周りを動いている。
「ピロロロロン、ポロロロロオ、プルォロロロ!」
「ピリカ、この玩具、意思が宿っている、なんて言わないよね?」
「そんな事あるわけないじゃんっ!いやでもホントにスッゲェなぁ!空飛ぶファニール君なんて、アタイも初めて見たよっ!」
「プロロロロ、ピルルォロロ!」
本で読んだ限りでは、宙に浮かぶ魔術具なんてものは私は知らない。
例外として、私が破壊した"ヘンなの"があるが、あんなものが何処にでもあるわけが無いだろうからな。
この魔術具は相当に凄まじい技術が使われている筈だ。
「ポロロロロロ、プルルォロロロ、ピロロロロォーン。」
・・・凄まじい。凄まじいのは間違いないのだが、それはそれとしてさっきから物っ凄く鬱陶しいな!考え事が出来ないわけじゃないが、阻害されて気が散る!
しかも、先程から発している音が私を煽ってきているように聞こえるのだ!
いや、これもう完全に煽ってるだろうっ!?
「なぁ、ピリカ?このファニール君とやら、私の事を煽ってきてないか?」
「構ってもらうようにするために、わざと鬱陶しくなるようにしたからなっ!どうだ!?放っておく事なんて出来ないだろう!?」
「ピロロロ、プルロロロロロ!ポロロルロ!」
得意げになるのは分かるのだが、実際に煽られている方はかなりイラっと来るんじゃないのか、コレ。
うん、考えるのは後だ。とりあえず顔の周りでウロチョロされないためにも、早いところ捕まえておこう。
ファニール君の動きはある程度一定だったので、動きが僅かに遅くなった瞬間を見計らって素早くファニール君に向かって手を伸ばした。だが―――
「ピロロロロォ~ン、プルルルロ!プルルルロ!」
嘘だろうっ!?
一応、かなり加減したとはいえ、私は並みの"
それを、まるで来るのが分かっていたかのような動きで、ファニール君はあっさりと私の手を逃れてしまったのだ!
「プルルルルル?ピロロロル!ポロロロロォーン。」
しかも、私の手を躱された事に私が愕然としていると、明らかに得意げになっているかのような音を発して此方を煽るようなしぐさをして見せている。
つくづく使用者を煽るのが上手いじゃないか・・・。大人げないかもしれないが、ファニール君、君の性能を確認させてもらうとしよう・・・。
「えっ・・・何今の動き・・・。どっちも全っ然見えなかったんだけど・・・。えっ・・・何?何が起きたの・・・?」
「ピリカ、済まない。ほんの少しだけ本気を出すよ。」
「はぁっ!?えっ!?今の動きで全然本気じゃないのかいっ!?アンタ一体何者なんだいっ!?」
「ただのしがない
やや強い口調になって返答してしまったのは容赦して欲しい。とりあえず、此方をを煽り倒して来るあの球体を捕まえておきたいんだ。
跳び上がりはしない。尻尾で軌道を変更できるからと言っても、好きが出来る事には違いが無いし、尻尾で軌道を変更しようとした場合、確実に店の中を傷付けてしまうからな。
周囲に損害を出さずに、それでいて先程以上の速度で行動してファニール君を捕まえるっ!
ファニール君の動きが一瞬止まったところを見計らい右手を伸ばす。
当然のように回避されるが、それは想定済みだ。ファニール君を通り過ぎる際に左足をファニール君へと伸ばして脛と足の甲で挟むようにして捕まえようとする。
が、恐るべき事にこの動きも予測されていたように回避されてしまう。だがまだ終わりではない。
仮に足の動きも回避されてしまっても良いように、回避した先には私の尻尾を向かわせている。多少の事では壊れない、というピリカの言葉を信用して、本当に軽く尻尾カバーでファニール君を、はたく!
「ビビビッ!?ビロロロロ!ビロロロプロ!?」
これは当たった!子気味良い音を出してファニール君が私とは反対の方向へ吹き飛んでいった!
が、まだ終わっていない。私の目的はファニール君を捕まえる事だ。叩かれた事で強制的に動きに力が加えられている今がチャンスだ!
玩具を含めたこの部屋全体に『不懐』を施して、ファニール君が飛ばされて行った方向へと駆け出す。勿論、周囲には数々の玩具が鎮座しているので踏みつけたり蹴とばしたりしないように注意しながらだ。
ファニール君は吹き飛ばされた勢いを殺すのに少々手間取っているようだ。ならば、ここで決めさせてもらおう!
動きが安定していないファニール君に向けて、今度は地面に叩きつけるように尻尾カバーを垂直に振り下ろす。
ギリギリで回避されるが、尻尾カバーは元から当てるつもりが無い。
だが、体勢が整っていない状態で無理に回避行動を取れば、当然その後はさらに大きな隙が出来る。
その隙を逃さずに、手を、足を出してファニール君を追い詰めていく。
「ビッ!ビッ!ビッ!ピロロブロッ!」
ここまで来ればあと少しだ!徐々に動きに反動が付き始め、やがてファニール君は大きく動きを止めてしまった。
ここだ!
今までとは明確に異なる動きを見逃さず、ファニール君を私に向かって軽く尻尾カバーではたく!
「ビビーッ!」ピピビプロッ!?
「捕まえたっ!」
此方に吹き飛んできたファニール君を、念のため両腕で掴んで逃れられないようにしておく。
「ビビビビビビッ!プァプァプァッ!ピロロロロピーローロー・・・。」
私がファニール君を捕まえた途端、ファニール君は力なくうな垂れるような音を出して哀愁を漂わせ始めた。
これ、可哀想に思って腕を緩めたら、間違いなく私の元から離れてまた私を煽り出すだろうな・・・。
同情などせずにしっかりと逃げられないように捕まえておこう。
何はともあれ、ようやく捕まえる事が出来た。私が街中でここまで力を発揮したのは間違いなく、イスティエスタを含めてこれが初めてだ。
正直、凄いなんてものじゃないぞ、このファニール君は。一体どういう技術で作られているんだ?
「いやぁーアンタってホンットに凄いなぁっ!あんな短時間でファニール君を捕まえる事が出来た奴を見たの、アタイ初めてだよ!それはそれとして、アタイのファニール君は凄かっただろ!?」
「凄いなんてものじゃないよ。私が街の中でこれだけの力を出したのは初めてなんだ。一応、魔術で保護はしておいたけど、周りに壊れた物とかは無い?」
「えぇ・・・。アンタ、さっきのやり取りの間にそんな事までしてたの・・・?そりゃあマギモデルもあんだけ上手く扱えるよなぁ・・・。う~んと・・・周りの物は~・・・っと、大丈夫だぜっ!何にも壊れてないっ!あんだけ派手に動いてたってのに、凄いもんだねぇっ!」
「周りに被害が無かったのなら良かったよ。」
「それでさ、このファニール君、どうする?お買い上げなら金貨62枚だよっ!」
流石は魔術具、とんでもない値段だな。一応、マギモデルと違い、ファニール君は購入する事が出来る金額だ。
ウルミラのお土産にするかはともかくとして、この技術は解析してみたいから、是非とも購入させてもらうとしよう!
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