第2章 修学旅行 編

第5話 嵐の前の静けさ

―修学旅行(1日目)―


バスが走る。俺たちはその中にいた。


みんな楽しそうに会話やバスにあるテレビでアニメ映画が流れていてそれをに見ている。


2人を除いて。


1人目は、林樹はやし いつき告白を前日に控え、ものすごく緊張していた。

2人目は、明智隆之あけち たかゆき友達の告白がどうなるのかそれで頭がいっぱいだった。


そんな中、悩める2人の原因である女子が2人に話しかけてきた。


歩「2人って、奈良に行ったことあるの?」

隆之・樹「!?」

歩「2人ともなんて表情してるの(笑)」小悪魔のような笑いであった。

樹「ぉ俺は、ないかな たかゆきは?」

隆之「俺もないな……」


歩「どしたの? せっかくの修学旅行だから楽しもうよ!」


高山美咲たかやま みさきがこちらの表情をじっと見る。同じ班の女子だ。


隆之「な、なに?」

美咲「ん?なんでもないよ なんでも」



―鹿公園― 


そんな緊迫した状況を乗り越え、鹿公園にたどり着いた。


歩「うわぁー、たくさんいるね 鹿」

美咲「そうだね ...そっち危ないから もっとこっち来た方がいいよ」

歩「えっ?」歩は足元を見る。 そして、理解したように美咲の方に寄る。


男子①「うわぁ、やべぇー、フン踏んづけちゃった」

男子②「つまんないぞ」

男子①「......!? ダジャレじゃねぇよ!」



そして、鹿に歩がせんべいをあげている。それを見て樹が近寄る。


樹「鹿って思ったよりかわいいな」

歩「そうだよね ふ、ふ ほんとかわいい」


二人が仲良さげに話しているのを通目で見ていた。胸がモヤモヤした。


美咲「あの2人お似合いだよね」そう言ってきた。

隆之「どの2人のこと?」

美咲「……」


喋らないから、美咲の方を向いた。

どこか悲しげにこちらを見ていた。


美咲「それでいいの?」

隆之「な、なにが?」

美咲「なんでも...... あゆみのところ行こ」

隆之「..うん」


そして、昼食をとり東大寺などを見て奈良を終えた。

京都に向かう際、みんな疲れて寝ていた。


しかし、俺だけは寝れれなかった。

あの言葉のことを考えていた。


美咲「それでいいの」この言葉だ。


そして、京都についた。

京都はなぜか行ってみたかった。

東京より京都という地名になぜかあこがれを持っていた。


先生「よぉーしまずは、金閣寺に行くぞ 迷子になるなよ」

6年生「はーい」


―金閣寺― 


圧巻の輝きを持っていた。それは、金色だからまぶしいのではなく、金閣寺の周囲全体を合わせた神々しさに圧倒された。

これを昔の人が建てて住んでいたかと思うと歴史を感じた。


男①「金閣寺は、足利.....なんだっけ?(笑)」

男②「バカかよ 足利義政だよ 覚えとけ テストに出るぞ」

男①「あぁそうか、足利よしまさ よしまさ 覚えた」

男③「嘘教えるなよ 足利義満だろ」

男①「は? おい、嘘かよ」

男②「いや、よしまさだ 騙されんじゃねぇぞ!」


男子たちが馬鹿な話をしてるのを無視して、金閣寺の近くによる俺たちの班


歩「すごい!こんなにも大きいんだ」

樹「ほんとだね みんなで写真撮ろうよ」

歩「いいね!」

樹「先生呼んでくる」


俺は、何をしているんだ。ただ、観光して周りに流されて。


隆之「........」

歩「たかゆき 大丈夫? 今日ほんと変だよ?」

隆之「いや、そんなことないって ただ...」

歩「ただ何?」

隆之「教科書で見たものが、実際自分の目で見てほんとにあるんだって思って 自分もほんとに生きてるんだなって」

歩「ん? 言ってる事よくわからない(笑)」

隆之「ほんとは、明日のUSNが楽しみすぎるってだけ(笑)」

歩「なるほど 早く明日になってくれってことね でも、たかゆきジェットコースター乗れないじゃん(笑)」

隆之「そうだった(笑)」

俺は、高いところが怖くて乗れないのだ。つまり、高所恐怖症である。

樹「わりぃ 先生のトイレ長くて(笑)」

3人「笑」

そして、記念撮影が終わり、清水寺などに行き、バスに乗り旅館へと向かった。


―旅館(19:00)―


初めてこんなにも大きい旅館に行ったことは初めてで感動していた。

先生「男子は、別館。女子は、本館に泊まるためとりあえずここで別れるから 男子は○○先生のところまで並んでください 女子はこのままで」

そして、女子はそのまま本館の方に進んでいった。まぁ、夕食のバイキングで会えるからいい、そう思った。


―温泉―


俺と同じ部屋のメンバーは、6人全員が樹の告白を知る友達で構成されていた。

もちろん樹も同じ部屋のメンバーだ。

俺たちは、荷物を置いて必要なものだけを持ち、温泉(入浴)に向かった。



俺たちは、裸になり、体を洗い、温泉に入った。すごく気持ちよかった。

男①「温泉、俺たちの貸きりらしいよ」

男②「なわけねぇだろ」

男③「いや、確かに俺たちの学校のやつしかいねぇな」

男②「たまたまだろ」

男③「温泉でって」

男②「そういう意味じゃねぇ!」

男①「泳ごうぜ」

男④「口に入ると体壊して 明日楽しめなくなるぞ」

男①「1抜けた」

男②「お前しかやってねぇんだよ!」


こんなしょうもない話が何より楽しかった。


自分の気を紛らわすためにも。



そして、体を拭き、服を着た。

そして、俺は周りより一足先に温泉から出た。


そこから出たとき、横に女子風呂があったため風呂上がりの歩と目が合った。

その時、髪がまだ乾いてなく濡れていて、いつもの雰囲気と違いドキッとした。


歩「今あがったの?」

隆之「あぁ」

歩「ほんとに温泉っていいよね」

隆之「こうやってみんなと来れてほんとによかったと思ってる」


歩「ほんとにそうだよね...... でも、もうすぐ中学生になるんだよね みんなと離れ離れになる」


俺たちの小学校は中学校で2手に分かれるのだ。


要するに、中学校が別々になるのでこの全員でいるのはこの6年生が最後だった。





そして、俺と歩は地区が離れているために行くことが決定している。






隆之「そだな...... だったら、なおさら楽しまないとな(笑)」

歩「よし、思いっきり楽しもう!(笑)」

女①「あゆみ戻ろう!」

歩「分かった じゃあね」

隆之「うん」

美咲「......」こちらを見てすぐに歩の方に歩き出した。



そして、すこし経って樹が温泉から出てきた。

樹「あいつら、まだ温泉に入ってて くだらないことしてる(笑)」

隆之「さすがに時間だから呼びに行くか」


樹「そうだな .....なぁ、明日頼むぜ?」

隆之「もちろん分かってる..」

樹「よぉーし、あいつらのところに行くか」



隆之「..」 


俺は考えていた。







樹と歩は地区が近いためである。


このことに俺は...

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