第46話 怨霊と騎士2

「貴様、なぜ無傷何だ?意味が分からない。」

目を覚ますとバレットさんがそう言ってこちらを覗き込んでいた。病室のような場所でいつくかベットが並んでおり、辺りを見ると数名がというか、さっき、黒色の何かに取り込まれてた人がボロボロの状態で倒れていた。ルナの魔法のせいか。


「まあ、僕には痛みはあってもダメージはないので」

そういうとバレットさんは首を傾げながらも


「まあ、貴様のいう言葉を信じるしかないらしいな。貴様以外の人物は全員何かしらのダメージを受けているからな。」


「それで、ここは何処ですか?バレットさん。」

そう僕が尋ねるとバレットさんは少し飽きれながら


「貴様、会話の流れは無視か?マイペースなのか?ここが何処でも大丈夫だ。私が貴様が目を覚ました時に、貴様の使っている部屋に案内するためにここで待っていたのだからな。」

ああ、じゃあ、何処でもいいか。ていうか、大丈夫なのだろうか?バレットさんもけが人である。でも、動けてるぐらいの状態だしし、なるほど、


「今人手が凄く足りてないんですね。だからケガ人のバレットさんがこうやって

案内人を」

僕がそういうと、バレットさんは鼻で笑った。


「残念だったな、半分あたりで半分外れだ。貴様、ドヤ顔恥ずかしいぞ。」

僕は、ドヤ顔をしていたのか。そして、外れていたのか…………恥ずかしい限りである。


「じゃあ、何故ケガ人が案内を?」


「確かに、貴様の言う通り、この里は今人手が足りていない、特に今は足りていない時期だ。だが、貴様を私が案内する理由は、貴様に聞きたいことがあったからだけだ。」

なるほど、さっきの?さっきでいいのか?時間間隔がなんかバグって来ているが、さっきの話の続きだろう。


「スキルの話ですか?」


「一つは、それだ。あと3つあるがな。」

そんなにあるんだ。まあ、どうせ、あの黒色の何か、魔物?には対抗手段を僕は持っていないので、とりあえず、話に付き合うことにした。どうせ、部屋に戻るまで暇だし。


「じゃあ、まずは、スキルのことですね。それで、何ですか?」


「担当直入に聞くが貴様のスキルは何だ。何が貴様の状況を生み出している。」

僕のスキルは保存と無限魔力の二つ、たぶん身体能力も成長してないからスキルも増えることないだろうし、この二つだろう。これを言うか、どうか?ああ、でも僕の場合言ってもそんなデメリットないし、まあなんかバレットさんは僕の勘だが、悪い人ではないし良いか。とりあえず、僕のスキルについて詳しく説明した。


「なるほど、いや、貴様の状態はありえなくはない。一個、意味が分からないのは、元族長の奴のスキルが貴様に効かなかったことだが、それ以外はありえないことではない。」

そういうとバレットさんはこっちを見た。


「それで、この状態を一時的に解除したり出来ますかね?」

そう僕が言うとバレットさんは目をそらした。


「貴様の魔力が切れれば解除される。…………つまりはおそらく無理だ。」

…………なるほど、最悪である。


「…………気を取り直して二つ目の話をしましょう。はい。」

とりあえず、考えないことにした。


「…………そうだな。二つ目は新しい族長の件についてだ、貴様に決定権がある。」

ああ、そうか。ええ、困るんだけど。そんなこと言われても


「これって、僕が直接決めるしか方法がないんですかね。僕が決め方を決めるとかは出来ますか?」


「それは、まあ、出来るだろう。それでどうするんだ?貴様。」

そうだな。うーん…………


「じゃあ、勝手に話し合いで決めて下さい。」

僕は、責任など持ちたくなかった。だって知らないしこの里のこと。


「分かった。3つ目は、貴様は聖剣伝説は好きか?」

バレットさんは僕の返事をあっさりと受け取り、そう言った。全くもってなんの話か分からなかった。なんで急に?どういうこと。


「知りません。」

異世界転移者の僕が知ってるわけなかった。


「なん…………だと。貴様、聖剣伝説を知らないのか。」

バレットさんが今までの中で最も感情を露わにしているように見えた。


「知らないというか、まあ僕は日本から、まあ遠くから来たので知らないというかどういう話なんですか?」

そう、ほとんど反射で尋ねていた。


「知らないなら、貴様に教えれば良いのか。」

あっ、これは知っている、見たことがある似たよな光景をルナの魔法と同じパターンだ。


めちゃくちゃ、いろいろ言われたが要約すると魔王の娘の魔法使いと強さを求める剣士が魔王を倒すために冒険する物語。ここら辺の話では、世界樹の女神も登場して、剣士(聖剣)が世界樹の騎士になるらしい。最後どうなるか尋ねたが、自分で読んでこそらしく教えてくれなかったが、まあ一つ分かったことは、魔王っているかもしれないってことぐらいだ。時間があれば読みたいが、凄まじい量の物語らしいので、読むのはやめておこうと決めた。


「違う、貴様に頼みたいことがあるのは、これに関連しているだけであって、この話を説明をしたかったわけではない。ふう、貴様はこれから他の場所に行くのだろ。別に遅くなっても良いから、またこの里を訪れて聖剣伝説に出てくる場所によったら。そこがどんなところだったかを教えてはくれないか。」

なるほど、これはガチで好きらしい、たぶん聖地巡礼的なノリだと思う。


「バレットさんが自分で行けば良いのでは?」


「貴様は軽く言ってくれる。この里の人手不足や、防衛力の不足などを考えると無理だってことが分かるだろ。ついたぞ、貴様の部屋、ではこれで私は失礼する。」

そう言い残してバレットさんは去っていった。やはり、バレットさんは真面目でいい人な気がした。

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