第39話 迷子4

走り回って気がついた。

「ああ、これ迷子だは」

なんで聞かなかったのだろうか?案内して貰わなかったのだろうか?

確かに、あの場面で聞くのは何かカッコ悪い。でも迷子になっている方がよりカッコ悪いな、ははは。


「なぜここにいる?だって人間は捕まって牢獄にいるはず。それにここは、」

道を尋ねても答えてくれる気はしない人がやって来た。やはり若い人にしか会わないな。


「あの?道を教えてくれたりしませんよね。」

まあ一応聞いてみた。


「………」

ガン無視で何処かに走っていった。これ絶対に報告しに行ったやつだは、まずいな。うん、まずい。落ち着け、僕。まずは、奪われた、僕の剣と転送用のブレスレットと謎の不気味な本が入ったカバンを、まあカバンは最悪大丈夫だけど、本はせっかく手に入れたのだから、回収しておきたい。それで、族長を探してと


「えっ?どうして君がここにいるんだね。おかしい。」

その声は少し聞き覚えがあった。てかそれはこっちのセリフだった。それは、僕を牢屋送りにする状況を作った要因のような人物。ユグさんだった。


「あなたこそ、何が目的ですか?僕を捕まるように誘導しましたよね。」

するとユグは少し悩んでから。


「私はある目的があってこの里に入りたっかた。昔はこんな面倒なことを……まあそれでちょうど君らがいたから、おとりに使おうと思った。それに牢屋の中は基本的に安全だろ。」

まあこの里で外にいるよりは、まあ牢屋の方が安全だろう。そういう問題ではないが。


「分かりました。囮にしたことは許します。とりあえず、僕の剣と本を探して、族長のところにいく手伝いをしてくれませんか?」

まあ、結果何もなかったので、これ以上ユグさんに何を言っても無駄だ。


「それなら、元々私の目的が達成できたらするつもりだったことだ。だからとりあえずは」

そう言ってユグさんは僕に剣を投げた。僕の剣である。ついでにルナの場所に行くための魔法が施されたブレスレットも投げられた。やっぱり、魔力が溜まってないからルナの場所にここから転送するのは無理っぽいな。


「それじゃあ、族長のところに」

そう僕が言いかけたときにユグさんは言葉を遮った。


「君はどうして族長のところに行きたい?正義の味方づらか?」


「いや、自分がムカついた個人的な感情ですよ。エゴイスト偽善者ですよ。」

正義の味方とかは僕じゃなくて、優斗とかがやることだ。


「…………分かった、案内する。その前に私の目的について来てもらう。そこに君の本もあるからな。」

そう言われた。まあどうせ、今から一人で適当に歩き回ってもまた迷子になるだけなのでおとなしく従うことにした。


「それで、目的って何なんですか?」

まあ、これぐらい聞いても罰はあたらないだろう。というか聞きたい、囮にされた理由を。


「それは、ある昔に書かれた文章を探しに来たの。まあ普通に里の図書館にあるわけもなくて、こうやって隠された場所に、部屋に侵入してるんだけどな。」

そうユグは言っていた。隠された部屋か。隠された部屋?場所?なんで僕はここに侵入出来てるんだ?


「本当に隠された場所なんですか?ここ」

僕がいるってことは、多分間違っているのではないか?


「……おかしいのは君のほう。私はてっきり、無理やり主人公にさせられた人物だと思っていたが、君は紛れもなく主人公だよ。」

何を言っているか1ミリもわからなった。


「えっと、ユグさん、主人公とか良く分からないこと言わないでくれますか?つまりどう言うことなんですか?」


「つまり、君がおかしいってことだ。いろいろ想定外だ。」

まあ、とりあえず、迷子になるのも悪ことだけじゃないって思っておこう。ユグさんの後をついていくと一面全てが本の部屋にたどり着いた。


これは、なんというか

「圧巻」

そうつぶやきつつただ、その光景に当たりをキョロキョロ見渡していた。

ユグさんはとある本棚に真っすぐに進み。迷うことなくとある本を手に取った。


「君の本は多分、これだよ。本当に最悪な場所においたものだ。」

多分、探しづらいという意味だろうが、でもすぐに見つけられているので対して最悪ではない。てか、僕のゲットした本を獣人族の里の住人は貴重資料みたいに勝手にしまったのか。


本を開くと相変わらず意味が分からない文章が文字が並んでいた。

「これです、どうもありがとう。いや、もともと僕が捕まる原因を作ったのはあなたなのでそれはおかしいか。」


僕のその言葉をユグさんは全く聞かずにいつの間にか一枚の古びた紙を手に持っていた。

「やはり、ここにあったか。」

一回、無視された悲しみはおいておいて


「それは結局、なんですか?」

そう尋ねる権利は十分あると思う。


「これは、昔、アホな世界樹の女神がとあるエルフに騙されて作り出した契約。もうほとんど効力なんて無かったはずだが。なぜか最近効力が復活してた。」

ああ、これがなんか言っていた契約ってやつか。でも、何でそれを


「なんで、それをユグさんは知ってるんですか?」


「………それは、私の一族はここら辺の里を管理するバランサー的な役割がその、あのあったんですよ。」

なんか凄い怪しいが、今はどうでもよいか。


「まあ、ではとりあえず、族長のところに案内してください。」

そう僕が言うとユグさんは僕に何故かその古くなっている紙を渡した。


「最後にこれを破って。そしたら案内する。」

なんで?どういうこと?意味が分からない。破って何になるわけ?


「えっと、自分で破ればいいんじゃないですか?」


「ああ、いや、まあ私には破れないので。」

なるほど、良くわからない。でも、凄い見てくる無言で圧力をかけてくる。


「…………」

面倒なのでとりあえず、破ることにした。それを見てユグさんは、笑いながら


「多分、君の仲間やお友達が族長さんと戦ってる。だから急ぐぞ。」

どうやら、なぜか、ルナさんが戦っているらしい。てかこの人なんで分かるの?何者なの?とりあえず、それは、後で問いただすことにしよう。


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