第93話 融合


 俺はゲルディスガーディアンと戦闘中のセレスティーヌとアリスを見る。


 セレスティーヌ・アリスとゲルディスガーディアンは、拮抗状態にあった。


「【光魔神の息吹】!!」


 セレスティーヌの詠唱で、上空から無数の光の矢が降り注ぐ。


 一方でアリスも両手の拳銃からひたすら焔属性の弾丸を撃ち続ける。


 だが、そのときゲルディスガーディアンに異変が起こった。


 セレスティーヌとアリスの猛攻に対して防戦一方だったゲルディスガーディアンの全身が、突如ぶわっと青白く発光した。そしてそのままゲルディスガーディアンの形は崩れ、また元の不定形な姿――光るアメーバへと変貌した。


「え、ちょっと待ってどういうこと!?」


 セレスティーヌ・アリスの繰り出される遠距離攻撃を、アメーバはぐにゃりと回避する。


「二人とも、一旦攻撃を止めて!」


 ミオの呼びかけに、アリスもセレスティーヌも応じる。


 アメーバは、うねうねと移動して再び壁を這い回る。


 そのとき、またしても新たなモンスターが、壁を吹き飛ばして登場した。


 そのモンスターは身体のほとんどが氷と雪で構成されているようなドラゴンだった。


 【解析術】で、情報を見てみる。


「名称 魔氷竜デルシーラ

 弱点属性 炎」

 

「案の定、炎が苦手みたいだな。よし、攻撃魔法【火炎弾】――」


 だが、俺が魔法を発動させようとしたとき、信じられないことが起こった。


 青いアメーバ――ゲルディスガーディアンが、ひょいっと身軽に魔氷竜デルシーラに取り付いたのだ。


「ヒュウゥゥゥゥッ!」

 まるで吹雪のようなデルシーラの咆哮が、空気をビリビリと震わせる。


 青い巨大アメーバを表皮にまとったデルシーラは、もがくようにぐるぐると動き回る。だが、ものの数十秒でその動きは止まる。アメーバの発光とデルシールの表面は渾然一体となり、新たな姿を俺たちの前に現す。


 ゲルディスガーディアンとデルシールは、合体した。


 俺は【解析術】を再び発動させる。


「名称 魔氷守護竜ゲルディスシール」

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