散文

BQQ

夜行バス

ボクは夜行バスに乗って旅へ出た


通路を挟んだ席に可愛らしい女の子


始発から3つめの停車場から乗ってきた


着座するなりずつと泣いている


誰かとケンカでもしたのか


悲しいことがあつたのか


長い旅


夜どうしずつと泣いている


ぼくは気になる


でも声はかけられない


休憩所も降りずにずつと泣いている


ぼくは観察に疲れて寝てしまつた


目が覚めると彼女は外を眺めていた


真つ暗な景色を眺める顔は青ざめて見えた


ぼくの気配に気づきこちらを見ると優しく微笑んだ


ぼくは安心して再び目を閉じる


長い旅


もう彼女は泣いていない


悲しいことがあつても泣いていない









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る