第14話 十一通目



 やぁ、兄弟。 


 言ったろ?

あんたは俺のことを忘れられないってね。

しかも、あんたは、俺の事を誰かに伝えたくなること間違いなしだ。


 もしかして、此の手紙を読んでくれているかい。

お笑いだね。

こんな呪いのような手紙を読んでいてくれるなんてね。


 返信?なんてこれっぽちも思ってないさ。

言ったろ?

これはささやかな復讐ってやつさ。


 此の手紙は、永遠に届くのさ。

喩え、あんたが死んじまってもね。

仮に、先に俺の方がくたばっちまったら?

そん時は、俺の魂を届けてやるさ。


 どうだい、最高じゃないか。

あんたは昔の親友といつも一緒にいられるんだ。

いかすだろ?


 深淵の底のように暗い目があんたを見ているのさ。


 覚えておきな、俺はあんたを見ているよ。

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