第11話 八通目



 やぁ、兄弟。


 暫く一人で考えていたんだ。

俺は呪われているんじゃないかってね。


 俺のそばにいる奴は、必ず不幸になっていく。

そんな気がするのさ。


 小鳥を飼ってたんだ。

一週間で死んじまったよ。

人だって同じようなもんさ。

まぁ、死んじゃいないけどな、似たようなものさ。

どいつもこいつも、お前と一緒にいると神経が壊れそうだ、って言うのさ。

なぜ?


 俺は、あんたに呪いのような言葉を吐いたことがあるか?


 以前の殺人未遂の話だってそうさ。

俺は俺の考えを説明しただけだぜ。

なのに奴は、理不尽にも殴りかかって来やがったんだぜ?

俺は奴に言ってやったよ。


「そんなにカッカしなさんなよ、若い者に教えるには鉄拳よりも説得力さ。まぁいい、あんたには人を説得するだけの経験がないだけの事なんだからね」


 そしたら、また殴りかかって来やがったんだ。

そうなりゃ俺だって抵抗するさ。


 それでもってパクられたって訳さ。

勿論、俺は正当防衛を主張したよ。

無駄だったけどね。


 そういえば、俺が飼っていた小鳥。

一週間で死んじまったって話さ。

俺は、こいつを愛していたんだ。

だからよ、毎日毎日、話しかけてやっていたんだ。

だけどな、どう言う訳か日に日に弱って行くんだ。

で一週間後に、めでたく天に召されたっていうことさ。

まぁ、話しかけてばっかりで餌をやるのを忘れてたってことも関係あると思うがね。


 これって、あんたら仏教徒が言う即身仏ってことじゃないのかい?

俺を慰めて、そして食わずに死ぬ。

良いじゃないか!

奴は神として天に召されたんだ。

違うかい?


  エドワード

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