不思議な箱のおはなし

よしだぶんぺい

第1話

ぼくが、この不思議な箱を手にしたのは、いつだったろう。

 

物心ついたときにはすでに、ぼくの手元にあった、という気がする。

 

この箱のおかげで、ぼくの人生はずっと順調だった。

 

もっとも、こんな声がある。

 

「箱の中には、一体、何が?」

 

でもそれは、明かせない。


なぜなら、それを明かしたとたん、この箱の不思議な力が消滅する、そんな懸念があるからだ。

 

かくして、このはなしは、これにて。


みなさん、ご機嫌よう、さようなら。



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