太陽の友情

あの日の感情を覚えていますか?

少年だった頃、自転車に乗って、遠くの浜辺に向かった。

東の空を望んで、希望を胸に走り出した二人。初めての笑い。はしめての握手、そしてハグ。一生懸命、僕たちは、走り続けた。幾たびかの夜明けの中で、語り合い、抱きしめあった。心で抱きしめあった。そう、君は突っ込んで、僕は笑って、とめどももなく、泣き、笑い、殴り合った。

あの日の感動を覚えていますか?

始めて、人前で、通じ合った、記憶。

汗を一滴もかかない君。脇の下に汗シミもできない。でも、太陽の友情。海辺から望む、日輪の塔。這い登っていく、のし上がっていく、躍動する胸と、高揚する身振り手ぶり、そして、ツッコミ。震える、心が、意識の中で、痙攣するほどの、緊張、でも、日輪の塔。ギターを弾く、ベースをうならせる、絶叫ボーカル、リズミカルなドラミング。背後で鳴っている。愛、愛、愛、愛、!

歌う、君のもう一人の息子。浜辺で、ハイテンションに溶け合っていく、笑いと音楽。すると、躍動する、中指を立てるように、僕らは戦った。

激闘の日々。偽善をはぎ取る、反骨の友情。太陽の下で、ボケるツッコミ。でも、ボケてはいない。僕らの夢は、死ぬまで終わらない。

笑いと音楽がユニティを生む。

ぐるぐる溶け合って、吐き出すように、強い奴らをぶっ飛ばす。

愛、愛、愛、愛!

笑いながら、中指を立てる。それが日輪の塔の誕生。

でも、強くなれば、闘う者の気持ちを失う。

太陽の友情。見上げてみるたびに、でも、君は、力の加減を知っている。

何度も、見上げてみよう。

夕日に映える日輪の塔を。

そこに、鳥が飛んでいく。

想い出し、また走り出し、立ち止まり、夢を語り合う。

友情。それは殴り合うことから、始まるのかもしれない。綺麗ごとかもしれないが、きっと綺麗ごとではない。それが「愛」あるいは、「友情」かもしれない。



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