第18話 マジで頼れるカレピッピな剣くんマジイケケン



 ——そしてまだ終わってナイんよッ!


 あーしの投擲とーてきした剣くんによって粉砕フンサイされたクイーンを見ても、あーしは油断していなかった。

 したら案の定、分解されたクイーンの一部——おそらくは尾——から飛び出したナニカが、あーしの方に向かって飛んできて——いやコレ当たるヤツやんけど剣くんないぞコレあーし死ぬんか——


 ギャインッ——!


 そこで剣くんが——手元に戻って来たのをあーしがキャッチしたのと同時に——飛来したナニカを弾いた。


 ——いやギリギリィィ! でもナイス!


 まあブーメランゆーたからね、そりゃ戻ってキマスから。ちゃんと信じてたよあーしは。

 ……つーかフツーに、あの悪あがきが来たとしても、あーしに当たる軌道キドーでは来んやろと高をくくってましたワ。

 いやはや、上位種クイーンあなどりガタシってか……?


「ユメノ、無事かっ!?」

「“無論、この程度、何ということもない”」

「まさかクイーンすら一撃とは……とんでもない剣だな、君のソイツは。いやまあ、それを操る君自身の強さも、だけどな」


 いや、実際ジッサイは剣くんだけだよ、スゴイのは。


 フランツさんは、周りで倒れているハチの死骸をグルリと眺めると——、一つ息を吐いた。


「ふぅ……なんとかしのげたか。いや、ほんと、ユメノのお陰だ。オレ達だけじゃ、この数の毒縞蜂ポイズンホーネットは手に負えなかった。ましてや上位種クイーンなんて、な……」

「まーでも、フランツさんもなんかカッケーワザ使ってたじゃん?」

「ははっ、そうだな。見た目は派手だが威力はイマイチなヤツ、な」

「……いやでも、ホラ、ランドさんとかもめっちゃ凄かったし」

「ああ、ランドは本当に凄いやつだよ。盾役タンクには強い精神力が求められるが、アイツは中でも飛び抜けてるよ。アイツがこのパーティーのかなめさ」


 そう言ってフランツさんは、ランドさんの方に目を向けた。

 そのランドさんは今、地面に座り込んで休憩している。そのそばには、モイラもついていた。

 

 その後ろにいるローグは、すでに周囲の警戒をしているみたいで、真剣な様子であちこちに顔を向けている。


「——モイラとローグも、よくやってくれてるけどな……。さて、それじゃオレ達は後処理をするから、ユメノは休んでおいていいぞ」

「え、いーの?」

「もちろん、今回一番活躍したのは君なんだから、後処理くらいはたいして活躍してないオレ達に任せてくれ」

「……それをゆーなら、レイブン達がやるべきじゃね?」

「……まあ、アイツらにも手伝ってもらうさ」


 つーわけで、フランツさん達が後処理をしている間、あーしは休んでていーことになった。

 ゆーてあーしは大して疲れたわけでもないし、どー考えてもフランツさん達の方が頑張ってたと思うので、あーしも手伝うべきかと思ったけど……思っただけで実行じっこーはしなかった。

 だって後処理って、なんか倒したハチの素材の回収とかだったし。あんなキモいの触るとかゼッタイイヤ

 

 さすがにこのレベルの魔物モンスターになると、素材もバカにならないってことで、回収するらしい。特にクイーンは、上位種じょーいしゅとかいうレアなヤツらしーから、素材も中々なんだって。

 それにゆーて、戦闘せんとーにかかった時間も、あーしの剣くんの強さのお陰でとてもサックリだったので、それくらいの時間の余裕はあるとか。

 依頼主ボンドさんの許可も出たので、レイブン達も使って、フランツさんはなんか色々と素材剥ぎ取って回収してた。



 素材の回収が終わったら、少しの休憩を挟んで、あーし達はまた進行を開始した。


 それからもモンスターはちょいちょい出現してきた。だけどそれらは問題なく排除されていった。

 出てきたモンスターは、基本的にあーしがメインでぶっ叩いた。けっきょくそれが一番効率的こーりつてきだったので、自然とそーゆう感じになっていった。

 そしてフランツさん達は、あーしがなんも考えんと力を発揮出来るよーにサポートしてくれてた。


 まずは、ローグが敵を見つけてくれる。

 これによって、いつでもモンスター相手に先手を取ることができて、準備不足で戦いを始めたり、ましてや奇襲されることなんてゼンゼン無い。

 ゆーてこれは、かなり強力なサポートだった。あーしの剣くんも、確かに不意打ちとかにも反応はんのーしてくれるけど、それってわりと近い範囲からだし、遠くの敵までは分からん。

 

 まあ剣くんって、自力で飛んでってイロイロ調べてくれたりとかも出来るっぽいけど、やっぱこの状況では剣くん手放すのこえーし、ローグがやってくれるのは助かる。

 フランツさんも「オレ達のパーティーで一番重要な役割ロールは、ローグのにな偵察役サーチャーだからな」と言っていた。

 確かに重要だけど一番か……? とかシツレーにも思ったけど、「ローグが居ないと、そもそもこの森を迷わずに抜けることすら出来ないからな……」と言われたら——確かに、ナットクせざるをえないわ。


 次に、ランドさんが敵を集めてくれる。

 特に数が多い敵の場合にスゴい助かる。あーしの剣くんがいくらモンスターを瞬コロできる強さがあろーとも、あーしの体は一つしかない。数が来たら抜けられる可能性かのーせーもある。

 そんな時にランドさんが活躍する。詳しく聞いてみて分かったんだケド、ランドさんのジョブである『重戦士ヘビーウォーリアー』というのは、敵の注意を自分に引きつけるワザが使えるらしいのだ。

 

 あーしは今まで——ランドさんって、なんかやたらモンスターに自分だけ狙われてめっちゃカワイソーだなー……なんて思ってたケド、ゼンゼン違った。自分からモンスターを集めていたのだ。

 マジかよ……いやマジで、尊敬そんけーするわ。あんなキメェ虫のモンスター相手でも躊躇ちゅーちょなく自分がオトリになれるとか……アンタがナンバーワンだよ。

 そんなランドさんの自己犠牲じこぎせー溢れる献身により、モンスターは散らばることなく集まるので、数が多くても安心してあーしが滅殺できる。

 マジでランドさんは五分に一回は誉めるくらいじゃないとダメ。この人マジメンタルが神ってる。フツーならこんな役割させられたら文句タラタラなるだろうに、彼は不平フヘー一つ漏らすことないし、なんなら自分からこのジョブを選んだとかいうし。

 マジで前世は聖人君子せーじんくんしだったのカナ? こりゃもう来世はきっと神に繰り上がれるネ。マジアーメン。


 そして、戦闘の後には、モイラが消耗ダメージを回復してくれる。

 まあぶっちゃけ、あーしはいまだに一度も戦闘で負傷ふしょーしたことはないので、モイラの回復の世話になったことはナイ。

 だけど、あーし以外のメンバーにはマジでありがたい存在がモイラだ。

 なんせ怪我してもすぐに治せるんだから、マジヤバいよねこれ。

 神聖魔法しんせーまほー、あるいは“奇跡ミラキュラス”とかって呼ばれるワザらしい。

 

 モイラの『神官プリースト』ってジョブは、魔法系のジョブで、中でも“奇跡”の系統の術が使えるとか、なんとか。

 なんか魔法にもイロイロ種類があるらしい。だけどまず、あーしは魔法の存在自体が未だに飲み込めてないので、さらに種類がどーとか言われても、ちょっとついていけねーよと思う。

 だけどその便利さについては実感した。その頼もしさについても。

 だってフツーなら、怪我したらどんなに頑張ったところで自然に治るのを待つ以外に大した方法なんてないのに、モイラにかかればその場で完治するわけだからナ。医者が廃業するワ。

 まあとにかく、戦う職業である冒険者からすれば、回復役ヒーラーはマジで神みたいな存在ってコトだね。居るのと居ないので生存率せーぞんりつがモロ変わってくるんだから、ま、当たり前だヨネ。


 最後のフランツさんは、リーダーとして指揮を取ってくれる。

 そんな各々オノオノが自分の仕事に集中しゅーちゅー出来るのは、リーダーのフランツさんが的確な指示を出してくれるからだ。

 余計なことを考えずに、自分の能力を発揮することダケを考えればいーとゆーのはラクだし、お陰で集中シューチューして最大のパフォーマンスを発揮出来るよーになる。

 いかにメンバーがそれぞれに優秀ゆーしゅーな能力を持っていたとしても、チームワークが上手く機能きのーしなければ、その力を十分じゅーぶんに発揮するコトは出来ない。

 逆に、全員ぜーいん連携れんけーがうまく噛み合えば、シナジー発揮してその力を100%ひゃくぱー超えて発揮することだって出来る。

 それが出来るのは、フランツさんがリーダーとして常に冷静れーせーで的確な指示を出してくれるから。——そしてそんなフランツさんを、チームのみんなが迷うことなく指示に従うくらい信頼シンライしてるからだ。

 

 当のフランツさんは、「このパーティーで一番重要な役割は偵察役ローグで、次が盾役ランド回復役モイラだ。オレは一番最後さ」なんて言っていた。

 しかし彼がそんなことを言うと、メンバー達からは口々に、「おいおい、マルチに活躍出来る『剣士ソードマン』は要るだろ」とか、「……敵を倒す攻撃役アタッカーは必要だ」とか、「指揮をとるリーダーも、とても重要だと思います!」なんてフォローが飛んできてたしね。ちゃんとあーしも、「なんかワザが一番カッケーと思うよ」と言っておいたし。

 そんな彼らを見ていると、フランツさん達は本当にいいチームなんだなー、と実感する。

 いきなり入ってきたあーしにも親切にしてくれるし、ホントにいいパーティーだと思う。今回の依頼の同行人がフランツさん達のパーティーで、ホントに良かったと思うわ、マジで。

 

 ……まあパーティー名は忘れたんだケド。

 いやイマサラもっかい聞けねーって。


 後はまあ、レイブン達のパーティーも色々と手伝ってはくれてるよ。

 戦闘にはほとんど参加してないけど、後始末とか、いろんな雑用はこなしてくれてるし。確かに、人手はあるにこしたことねーわ。

 いや、それこそ最初はあーしがその役割と思われてたんだケドね。いつの間にか、あーしがメイン戦力なってマスワ。

 まあゆーて、すでにケッコー森の奥に入ってきてるし、モンスターも強くなってて、もはやフランツさん達のパーティーでもだいぶ手に余るレベルになってるらしいし。

 でもあーし(の剣くん)は相変わらず、ゼンブ一撃で粉砕フンサイしていくんすケドね。

 いやマジで、剣くんツヨスギ〜〜。イマサラながら、この剣くんってマジなんなんだろ〜?

 ま、とりま味方ってことはハッキリしてるし、手放すつもりもネーから、強いに越したことはねーケドね!


 それからもあーしら一行は、順調にを進めていった。

 そうしてだいぶ進むと同時に、日も少しかげりを見せてきた。

 あーしが戦闘に加わるよーになってからは、予定より早いペースで進んでいったみたいなので、すこし早いけどもう野営の準備をすることになった。


 この夜を無事越えられるかどーかが、第一関門とゆー話だった。

 そのためには、良さげな野営地を見つけられるかどーかがカギだ。

 んでソレは、基本的にローグの肩に掛かっていた。やはり能力のーりょく的にローグがイチバン適任だから。

 ただ、いくらローグが周囲の確認が得意トクイといっても、良さげな場所が見つかるかどうかなんてのは運次第でもある。

 だって見つけられるかどーか以前に、そもそも良さげな場所なんて近くにまったくない可能性かのーせーもあるワケだから。


 すでにローグは、この周辺で良さそうな場所がないか能力全開で探しているらしい。しかし、今のところは見つかっていない。

 そう簡単に見つからないとゆーのもあるケド、ジッサイ野営地探しと並行してフツーの索敵もしなきゃいけないので、なかなか効率は良くないっぽい。まあそこはトーゼンね、モンスターも警戒しなきゃだから。

 あんまり遠くを探りすぎて、近場のモンスターを見逃したんじゃ本末転倒ほんまつてんとーってヤツだね。あるいは灯台とーだいもと暮らしってヤツ? あ、いや「暗し」だったっけ?


 しかし近くも遠くも確認しなきゃいけないのはタイヘンだなー、なんて思っていた時、あーしはふと思いついた。

 ——や、あーしの剣くんもイロイロさぐったりとか出来るっぽいし、とりま試しに、剣くんにも一回探ってみてもらうってのはどーだろ?

 ただ、剣くんを手放すのはまさに危険キケンと隣り合わせな行為こーいなので、試すとしたら、ちゃんと備えてからしねーとやけどね。

 

 なのであーしは、ちょっとローグに相談そーだんだ。

 あーしは、今も周囲を見回しながらブツブツ言ってるローグの近くまで行って、話しかける。


「くそっ、なかなか見つからねぇな……」

「あ、ね、ローグ、あーしちょっと試したいことあるから、ちょっとの間さ、遠くはいいから近くをしっかり警戒けーかいしといてくんない?」

「ああ? 試したいことってなんだよ?」

「“まあ、任せてくれんかね? 上手くいけば、野営地が見つかるやもしれん”」

「お前、さすがに偵察は専門外じゃ……。——いや、まあ、いいや。少しだけなんだな?」

「うん、そんなにかかんねーと思うから」

「……分かった。んじゃ、索敵は任せておけ」

「うっす」


 あーしはローグの邪魔にならんよーに少し離れたところに行くと、剣くんを引き抜く。


「さてさて、ではケンくん、なんか野営地やえーちに良さそーな場所とか探せるカナ? 前みたいに上から見渡したりとか、すっ飛んでいって探してくれてもいーんだけども……」


 そう言いつつ、あーしは剣くんを上に向ける。

 すると——剣くんはあーしの手からスルリと抜けたかと思うと、バビューン! と、いつか見たような勢いで何処どこぞへとすっ飛んでいった。


 おお、ちゃんと行ってくれたワ。

 さて、剣くんが居ない今はマジでデンジャーなタイムだからね。マジ気ぃつけねーと。

 ローグがなんか見つけたら、しゅんで剣くん呼び戻さねーとだかんな。


 流石の剣くんも探すのに時間がかかっているのか、なかなか戻ってこない。

 思えば、剣くんをこんなに長く手放したのは、カレを手に入れて以来か。そもそも今までは常に肌身離さず持ち歩いてたし。

 そー考えると今のジョーキョー、ケッコーな不安感あるわ。ゆーてあーしの戦闘力せんとーりょくなんて剣くんがすべてダシ。剣くんなかったら、あーしなんて戦闘力たったの5でゴミ扱いされてもしゃーないからナ。

 しかし安全に夜を越すためにはしょーがない。試せることは試しておきたい。

 剣くんにも見つけられなかったんなら、そん時はもう諦めつくし。後はローグに任せて、なるようにするしかねーわ。


 なんて考えていたら、ローグがあーしの近くに来て話しかけてきた。


「おい、しばらく経ったけど、まだなのか、試したいことってのは? てか今なんかやってんの?」

「あー、やってるやってる。……確かにチョット時間かかってるね。うん、もーちょいして成果せーかなかったら切り上げるよ……って、来たっ——!?」

「えっ、——っな、なんか来る——!」


 剣くんが帰還する気配を感じた——と思ったら手元まで瞬時にやって来た。うん、おかえり〜。

 ん、なんかローグも剣くんの接近を察知したみたいだけど、それに反応して振り返ると同時に剣くんが来たから、ちょーど見逃したわコレ。


「なっ、なんだっ!? ——おいユメノっ、なんかやべぇモンスターが来たかもっ!?」

「“敵の気配はないぞ。勘違いでは?”」

「いや、確かにすさまじい速度で何かがここに来た……!」

「……あー、それなら勘違いだわ。それあーしのやつだから。モンスターじゃナイよ」

「……なに? お前が? 何を……」

「……——っお、おおっ、さっすが剣くん! ちょ、ローグ、いい場所見つかったかもだよ!」

「えぇっ!? マジかぁ……?」

「んー、わりととーいな……ねぇローグ、向こうの方向ほーこーなんだけど、なんか見つかる?」

「向こう? 距離は?」

「えーっと、なんつえばいーんかな……あー、あそこのちょっと小高くなってっとこ、分かる?」

「あそこか。あそこなら……ちょうど1000メルテルってとこかな」

「メルテル? ……んー、だとしたら、あそこまでの距離の、さらに半分を加えたくらいの距離、かな」

「十一角の方向、距離1500メルテルか。……いや、どっちにしろその距離までは、さすがに俺の感知も届かないな。——そこになんかあんのか?」

「ある。……と思う」

「何があんだ?」

「……えっとね、タブンだけど——」


 あーしから詳しい話を聞いたローグは、


「……それが本当なら、行ってみる価値はあるな。まあどうせ、このままじゃ何も見つかりそうになかったし、もう時間もない。そこに賭けるか……。——んじゃ、ちょっとフランツに相談してくるぜ」

「うん、頼むわ」


 ローグに相談されたフランツさんも、けっきょくその賭けでいくことに賛成ということで、あーしらは剣くんの教えてくれた地点へと向かった。


 そして、とりま無事に辿り着いた、そこにあったのは……


洞穴ほらあな、だな」

「マジでユメノの言った通りの場所じゃねーか……マジかよ、おいユメノ、お前、偵察能力もやべーのかよ。もはや全部お前一人でいいんじゃねーの……」

「ちょ、スネないでよローグ。——いやいや、あーし一人じゃ色々ムリだし。つーかわりと奥の手的な、リスキーな手段使ったから」

「別にねてねぇ。——ほんとかぁ? んならまあ、感謝しておかないとか」

「“気にするな。全員の安全のためさ”」

「うんうん、ここなら実際、かなりの安全策をほどこせるよ。なんせ、入り口にだけ対処すればいいんだからね。それなら、僕の持ってきた魔道具を使いまくれば、万全とはいかないまでも、かなりの安全性は確保出来るはずだ」

「しかしまずは、内部の掃除から……だな。ローグ、居るんだろ?」

「当然。“魔の森”の洞穴だぞ? 居ないワケがねぇさ」

「おけおけ、とりまあーしが片付けてきますワ」

「……一人で行くのか? ユメノ、オレ達も——」

「“一人で十分だ。そっちは先に、野営の準備の準備でもしておくといい”」

「……分かった。それじゃ中は任せるよ。何かあったら、すぐに呼んでくれ」

「りょーかい、リーダー」


 そしてあーしは、ソッコーで内部の掃除(つまりは中に住み着いているモンスターの排除)を終わらせた。

 中にはなんか、蝙蝠コーモリみたいなモンスターがたくさん……たくさん居た。

 

 洞穴の中は真っ暗だし、だけど相手はフツーにこっち見えてるっぽいし、フツーなら苦戦するカモ。

 でもあーしの剣くんは、暗いとか関係なく的確な動きを可能かのーだった。

 数は多かったけど、あーし一人だから別に誰かを庇うわけでもねーし、ひたすら剣くんをぶん回しながら、入り口から奥まで行くだけでしゅーりょーした。

 まあ洞穴もそんな広くねーから、そうしていけば、もはやあーしという壁に追いやられたコウモリたちは、そのまますべて潰されていった。一匹とて逃れることはナカッタ。


 つーわけであーしらは、安全に夜を越せそーな場所を確保できたのだった。


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