第69話 従姉と幼馴染は俺の幼い時にやらかした恥ずかしい思い出話ですっかり打ち解けたようだ

 さて、俺の私服選びも無事終わったので今日も付き合ってくれた二人には何かお礼をしないとな。


「二人とも今日はありがとう。

 買い物して疲れたと思うし、スイーツパライソで何か食べながらおしゃべりして休んでいかない?」


「あ、うん、それがいいと思う」


 というのはふみちゃん。


「スイーツパライソ……食べたら太らないかな?」


 というのは弥生ちゃん。


「確かにスイーツパライソはケーキバイキングがメインだけど、サラダやフルーツ、ドリンクをメインにすれば問題はないと思うよ」


 俺がそういうとふみちゃんも言う。


「というか、弥生さんはすごくスタイルいいですよね?

 そんなに気にしなくても大丈夫だと思いますけど」


 その言葉にちょっと照れる弥生ちゃん。


「そ、そうかなぁ、えへへ、ありがとう。

 じゃあ、行こうか」


 という訳でアパレル関係の売り場からフード関係の場所へ移動。


 その途中で男どもの”ち、いい女を二人もはべらせやがってこの野郎”というような視線を感じたが、何なら代わってみるか?


 俺がどれだけ内心で神経すり減らしながら、二人の機嫌を損ねないように笑って会話しているかなんてわかりはしないよなそりゃ。


 で、スイーツパライソへ到着。


「いらっしゃいませ。

 何名様ですか」


「三名です」


「ではご案内しますね」


 と席に案内されたのでオーダーをする。


「はい、コースはお決まりですか?」


「はい、フルーツパラダイスコース3人でお願いします」


「三名様フルーツパラダイスコースですね。

 ではお時間は100分になりますのでごゆっくりどうぞ」


 フルーツパラダイスコースはイチゴなどの季節に合わせたフルーツ食べ放題にハーゲンダットなどのアイスも食べ放題、スープ、カレーライス、各種パスタに各種サラダとドリンクバイキングも食べ飲み放題で2500円だからかなり安いと思う。


 スイーツも小さいものをたくさん選べるのでなかなか楽しい。


 まずはブリーベリーロールケーキに苺のみるくゼリー、プチブルーベリームースなどとメロンソーダにイチゴをさらに山ほどのせて俺は席に戻った。


 弥生ちゃんはイチゴとサラダにウーロン茶。


 ふみちゃんは明太風クリームソースパスタにポテトのクリームスープ、ベイクドチーズケーキにライムのフレーバーウォーター。


「じゃあいただきます」


「いただきましょう」


「はい、いただきます」


 という訳で各自で取ってきたものを食べはじめる。


「ふむむ、スイーツの甘みが抑えられているのがいい感じだな」


 俺がそういうとふみちゃんもうなずいた。


「そうだね」


 そして弥生ちゃんも言う。


「大ぶりなイチゴが食べ放題っていいよね。

 で、あっくんとしては服は新品を買ったほうがいいと思った?」


 それに対してふみちゃんも言う。


「高校生的には古着の方が安くていいよね?」


俺は二人に対して苦笑しながら答えた。


「んー、新品も古着も一長一短あるし、どっちにしたほうがいいって言いきれないと思うんだよな。

 古着の安さは確かに魅力的なんだけど、よさげなデザインのもののサイズが俺に合うかどうかはわからないからね。

 その点で新品なら合うサイズがないことはまずないわけだけど、やっぱり値段が高いからなぁ……。

 で、結局のところ古着には古着の良さがあるし、新品には新品の良さがあるわけだ。

 けど、どちらにしても俺にはおしゃれに着こなすのはむずかしそうだから、これからも買い物に付き合ってもらえると助かるんだけど……どうかな?」


 俺がそう聞くと二人は笑いながら言った。


「やっぱり、あっくんは私がいないとだめなのよね」


「そうですよね、あっちゃんてば幼稚園時代のお泊り会でお母さんがいなくて、ずっとないてたから私がよしよし、大丈夫大丈夫って抱きしめてあげてようやく泣き止んだんですよー」


「あー、それなら私も川の土手で段ボールスベリやったときに、ころげおちて泣いていた時に私が痛いの痛いの飛んでけー、ってしてあげてからぎゅっとしてあげるまでずっとピーピー泣いてたよー」


 あ、これ地獄だ。


 それからも二人は俺の幼稚園時代や小学校低学年の時に起こった恥ずかしーい思い出話をネタに会話が盛り上がっていた。


「でも、幼稚園で私がいじめられてた時は助けてくれたし、やるときはやる子だったんですよ」


「あ、うん、それはわかる。

 つらいときに励ましてくれたりするのはうれしいよね」


 と、二人は何やら目と目で通じ合ったようだ。


 なんだかよくわからないがどうやら俺の恥ずかしーい話9割に、俺がかっこいいという時があるという話1割を通じて親近感を深めたようだな。


 まあこの二人、俺と同じ学校ではないので平日にあまり接触がないところ、家が比較的近いところ、幼い時の思い出があるところ、世話好きなところなどかなり似てる部分が多い。


 弥生ちゃんは大学生でお金に余裕があるからなのか割とお金を使うことに躊躇しないけど、ふみちゃんは倹約傾向があるところは違うけど。


 こういうタイプの女性にはこの男のそばには自分がいて世話してあげなきゃだめなんだよねと思わせるのが大事なんだと思う。


 こういうタイプはダメ男製造機にもなりやすいうえに、嫉妬深かったり重かったり、メンヘラ化することも多いんだけどな……。

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