016 会合(後)
「まあまあタマちゃん、落ち着きなさい。額面どおりに受け取らないようにな」
「だって!‥‥えっ?!」
モンデール神父、薬師ルキア、厩のマシューの3人が穏やかに笑いかける。
「よいかなタマちゃん。仮にショーン坊っちゃんを殺そうとする者がいたとする。お館様と同じようにな」
「私が生命にかえてもショーン様を守ります!」
「それは我らとて同じじゃよ」
「だったらみんなで‥‥」
「じゃが何処の誰かもわからん其奴からショーン坊っちゃんを四六時中守れるかな?それがいつまで続くか分からんなかを」
「そ、それは‥‥」
「それにじゃ。仮にショーン坊っちゃんを旗頭に決起となれば、領内は内乱となろうな。民を愛したお館様のご意志と反してな。しかもこれが王家に伝われば、下手をするとお家断然となるやもしれん」
ゴクン。
獣人メイドのタマが喉を鳴らした。
「では、先方の望みどおりにショーン坊っちゃんが『死んだ』らどうなるかの?目標達成した奴は、もう2度とショーン坊っちゃんを殺すことはできないだろう?」
再びタマが気炎を上げる。
「当たり前じゃないですか!それでも坊っちゃんを殺すなんて絶対できません!!」
「タマちゃんや‥」
いきりたつ獣人メイドのタマの肩をさすりながら薬師ルキアが言った。
「タマちゃん、ショーン坊っちゃんが死んだことにすればええんじゃよ」
「えっ!?それは一体‥‥」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます