揺蕩う

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 波間にゆらゆら

 心もゆらゆら

 風任せ、波任せ

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 たゆたう。


 語感が好きな言葉の一つです。


 ただそれだけなのですが。


 辞書的には(大辞林)


 ゆらゆらと漂うさまとともに、心が定まらない様子とも。


 一か所にとどまらない、揺れ動く様子を心の模様にもたとえたようです。


 どちらかといえば不安感のあるそれよりも、自然に身を任せるといった、ゆったりした気持ち。古典ではそれをこそ、たゆたうと表現したようです。


「揺」は揺れ動く。まさにゆらゆら。「蕩」はとろける。うっとりと。


 森や山のなかの静かな小川の流れ、さらさらと。それを眺めていると「たゆたう」の言葉が自然と頭に浮かびます。

 流れに身を任せてひと時。

 あらがうことなく、目を閉じ、せせらぎを聴きながら。


 そんなことを、ふと。

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