第16話呼び方
バスケの男子は合計16人それで5人5人6人の三つに分かれるとなると早く行動しないと悠と別のチームになって数の暴力に負ける。
「とりあえず同じクラスのやつに適当に声かけよう」
俺がそう言うと悠が頷いて.......
おい、悠何故こっちをじっと見るんだ。
「.......頼んだよ...」
この野郎丸投げしやがった。
俺が慌てて周りを見るともう結構みんな二、三人で固まりつつある。
これはどこかのグループと合体するしかない。
お?あそこのグループ3人だ。
........あ、取られた.......
お?あそこにも.......ってあれ?俺たち以外もう固まってる......?
周りを見る、右から順に4人4人6人
俺の頭の中で先生の言葉が再生される。
[男子は5人組2つと6人組]
「えっと.....どっちか俺のチーム来るか?」
4人組の片方が遠慮がちに言ってくる。
俺と悠は再び虚無顔に戻りバラバラのチームに合流した。
「よろしくな!」
爽やかにそう言ってくるのはさっき俺を誘ってくれた同じクラスの男子。
「よろしく」
とりあえず挨拶を返していつもより少し低いテンションではあるが雑談をしていると、
「よーし男女共にいい感じになったな!次回から種目毎になるからバスケは体育館シューズを持って体育館に集合だ。ちょっと早いけど今日は解散!まだ授業中だから廊下で騒がないように」
そう言うと周りの生徒たちがさっさと出口へと歩き出す。
「まあ僕はなんとかなりそうだったよ?」
「.......ゲームになったらボコボコにしてやる」
いやまあさっさと声かけなかった俺が悪いんだけどなんかイラッとしたのでコイツのチームとやるときは絶対にボコす心に誓った。
ー放課後ー
「.......では連絡は以上です、皆さんまた来週」
綾瀬先生はそう言って教室から出て行った。
俺が机に入ってる荷物をカバンに入れていると後ろから
「ねえねえ弓弦っちー雨降ってるけど今日部活あるのかなー」
澤田さんが質問してきた。
なんで俺に聞くんだ?っていうか.....
「....何その呼び方」
俺が冷めた目でニヤニヤしている澤田さんに言うと
「ひどい!一緒に過ごしたあの夜を忘れたの!?私達の関係はそんなものだったの?」
下手くそな泣き真似をしながら澤田さんが言う。
普通だったらこんなわかりやすい泣き真似に騙されたりしないだろう。
しかし何故か今俺は周りの生徒からクズを見る目で見られている。
というか今の言葉は多分翻訳すると
『(みんなでファミレスで)一緒に過ごしたあの夜(7時)を忘れたの!?私達(弓道部組)の(友人としての)関係はそんなものだったの?』
が正しいのだろう。
「おい!誤解の生じる言い方すんなよあれだろ!みんなでファミレス行った時だろ?あの時は神宮寺くんって呼んでただろ!?」
俺がわざと周りに聞こえるように言うとみんな素知らぬ顔して帰る準備を始めた。
「もーノリ悪いなー、呼び方についてはこっちの方が話しやすいと思ったんだよー弓弦っちも名前呼びでいいよ?」
澤田さんがヘラヘラしながら言うので
「もういいよ澤田」
「おおっとー?なんか含みのある言い方だね?玲奈でいいって言ってんじゃん」
そんなことをしていると悠と九条さんと花村さんも近寄ってきて、
「2人でなんで漫才してるのよ?」
九条さんが呆れ顔を浮かべながら言う。
悠と花村さんもその後ろで苦笑いしていた。
「いや漫才してたのはこいつだけだけど」
「何だとー?」
俺たちがまた騒ぎ始めると九条さんが『ンンッ』っと咳払いをして、若干顔を赤らめながら
「その...2人とも私も....その.....飛鳥でいいわよ」
俺と澤田は揃ってポカンとした表情を浮かべて彼女を見る。
.......なんだこの小動物?
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