Under the Full Moon
貴方へのこの気持ち。
彼の国の文才は「月が綺麗ですね」と意訳したらしい。その真意はどうあれ、芳しい妙味を味わわせてくれる台詞と言えよう。
思いのままを、言葉にして伝えることも時には必要だろう。飾り気のない投げかけがひたすら愛しい瞬間も確かにある。ただ、「赤」ひとことでも受け手によってグラデーションを生み出すように、この気持ちには、様々な色合いが存在する。
柔らかい笑顔を向けられたなら、疲れは不思議と消えて行くし、貴方の「大丈夫」を聞けば杞憂とは無縁でいられる。「そのままでいいよ」に背中を押され、「ありがとう」に救われるときだって。
一言では言い尽くせない感謝。一言では言い表せない想い。そんな悩みに応えるために編纂されたのが辞書ではないだろうか。
辞書の存在理由は、是非その辺りに在って欲しい。
月が綺麗ですね。
満月の夜はお好きですか。私には満月も新月も三日月も、みな等しく美しく見えます。貴方がそばに居てくれるおかげで。そうやって、私の世界を照らしてくれるおかげで。
愛しい名を呼ぶ。
月明かりを浴びて煌めく瞳は私の宝物。
「月が綺麗ですね」
私の辞書の月の頁には、貴方がそっと、微笑んでいる。
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