戸惑い
学校でもやっぱり田所くん達の話で盛り上がった。人それぞれ誰がどうだった等と話をしている。正直、田所くん以外の顔も名前も覚えていなかったから、適当に相槌を打った。さくらは電話相手の学くんと付き合う事になったと嬉しそうに話した。
「ゆうは?田所くんに告白された?」
さくらが意味深に微笑んだ。
「ゆう、田所くん好きなの?」
一緒に会いに行った、よっこに聞かれた。
「どうなのかな‥」
戸惑っていた。
「ゆうが好きじゃないなら付き合いたいな」
よっこに言われハッとした。そうだ。他の誰かが田所くんを好きになる事もあるんだ‥
「田所くんは、ゆうが好きなんだよ。付き合っちゃいなよ」
さくらが何かを知ってるかの様に後押しした。あたしを置いて話が進んで行く‥
よっこは可愛い‥目はクリクリと大きく、スラリとスタイルもいい。
田所くんとお似合いかもな…
漠然と、そんな事を考えていた。
教室の窓から外を眺めていた女子達が、キャーキャーと騒ぎ出した。
「大吾くん今日もいる~格好いい」
校門にたむろする一個上の先輩の一人だ。
茶髪でサーファーみたいなサラサラヘアー背が高くパッと目をひく。アイドルを見る様に大吾くんに夢中な子達もいた。
「ゆう、学校終わったら遊ばない?」
クミに誘われた。最近タメの省吾の家に遊びに行ってるらしい。
「あたし行ってもいいの?」
「省吾の友達もいるから、付き合ってよ」
連れて行かれたのはアパートの一室だった。部屋の中には省吾の他に男子が二人いて、
顔は何となくわかる程度。遊ぶと言っても男子は男子で雑誌を見ていて、あたしもクミとファッション雑誌を見ていた。
「これにそのうちお前も載ってんじゃね」
省吾は見ていた雑誌を見せてきた。
特攻服を着た集団が単車や車の前で旗を掲げ写っていた。
あたしって‥こうゆうイメージなの?
別に興味がない。雑誌の人達は別世界のようなのに、他人から見たあたしは一緒に見えるのか‥必ずしも自分が思う自分のイメージと、人から見たイメージは一致しない事もあると知った。
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