リンクⅢ

浅貴るお

第1話

 僕は指定した時間よりも、1時間も早く喫茶店に着き、ソイツを待っていた。

 正直話すのは怖い。だけど話すと言ってしまった。その言葉は取り消せない。だから、腹を括った。


 ソイツはほぼ、時間通りに来た。

「やあ」

 凄いフランクで驚いた。僕のことを恨んでいてもおかしくないのに。

 ソイツは向かいの席に座る。

 ソイツが、頼んだコーヒーに口をつけるのを待ってから、僕はその当時思っていたことを、1時間以上かけて話した。

 ソイツは怒らなかった。むしろ優しい眼差しを僕にくれた。

 僕は気が楽になった。そして、本当に伝えたか言葉を言う。

「もう一度、二人で音楽やらないか?」

 ソイツはすぐにイエスと答えてくれた。


 こうして、僕らは再び、一緒に音楽を奏でることになる。

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