サムからの便り
中筒ユリナ
第1話 サムからの便り
もう何度目かになるだろうか。
僕はサム。
人は皆過去世と言うものがあり、その過去世は今に繋がっている。
勿論、いろいろな過去世があり、その都度テーマあり、課題あり、試練ありだ。
そして、今生、僕の妻は只今転生中。
今生はかなり、彼女にとっては厳しいものになっている。
この厳しさはその人に、よりけりなわけで。同じ厳しさも、この人には耐えられるが、この人には無理だ。とか。
一生を通し、その人に合わせた人生のある程度の計画がなされる。
勿論、自分で「これを学びたい」「これをやりたい」など盛り込まれ、また、そこには使命やら、役目なども入る。
僕の妻は人生の半分は使命であり、役目に身を投じてきた。
彼女の過去世からしたら、稀にみるくらいの厳しいものだと。
今までこんなに厳しかったかな?と
僕でさえ、考えてしまう。
魂の向上を狙うならば、やはり、ハードルはあがるわけで。
そんな、ハードルがかなり高い今を生きる彼女を僕は側でささえている。
では、過去世はどうだったのかを思い出すと、いろいろではあるものの。
共通して、その時代には重いとされる病を患っている。
これは、何か意味があり、そうなっているわけなんだ。
過去世、彼女の生涯は、割と平坦だったり、また、厳しい時もあれども、周りに救けられたり。
まだまだ、精神が幼い為か、少しずつ、階段を登らせようとされる、育ての神々より用意されたものだった。
だが、割に楽なのに対し、彼女は人より負けたくはないというか、落ちこぼれみたいにはなりたくない!
という、負けん気もあるのか、こちら側が提示した道を時には、嫌だとすることもあった。
さて、今も今生、病を経験中だ。
なぜ毎回、病を患うのか。しかも、重い事が多い。そして辛い治療。。。
残念だが、僕には神々は教えてはくれない。
毎回患う病。。。
どのように捉えるべきなのか。
悪いように考えれば幾らでも、考え付く。
だが、前向きに捉えることもできないだろうか。
もしかしたら、周りへの学びかもしれない。
それならそれとしても、自分自身の学びもあるはず。
何かに「気が付けよ。」なのか。
どう、捉えるのだろうか。。。
僕は彼女と一緒に考えている。。。
何かのヒントになるかと、僕にジャンが話してくれた実例がある。
「生まれつき裕福な生活で、それは大人になってもつづき、父からお小遣いをもらうなど。
しかし、年配になり、もっと歳をとり、自分の周りにいた人達は、霊界へ。そして、裕福だったが、家が貰い火により、全て無くした。
主人もご霊界へ。
彼女に残ったのは、自分の健康な身体。」
この実例をどう捉えるかで、最期の生き方も変わるのではないかと。
ジャンは言う。
何か不都合な事や、苦しみや、痛みなど負の状態に身を置いてこそ、自分を知るチャンスだと。
そこには、自分が気が付かなかったもう一人の自分がいるはず。
自分と向き合い、間違っているならば、正すチャンスでもある。
僕は彼からの言葉を考えている。。。
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