第6話 別に俺が弱いわけじゃなかった
しばらくお菓子を食べて寛いでいると頭にたんこぶが5個ぐらいのっている涙目に頬を膨らませたルノア様が帰ってきた
「酷いと思いませんかこれ?」
自分の頭のたんこぶを差しながら行ってきた。その顔にはなにがあったか聞いてくださいと描いてあるように見えたが聞くのがめんどくさいからスルーした。
「えーっとかわいそうですね」
「えっ?それだけですか?理由は聞かないんですか?聞いてもいいですよ?ていうか聞いてください!」
あーやばい俺の中でルノア様の最初に見た時のイメージが綺麗に崩れてゆく…
「じゃあなにがあったのですか?」
「いいですよ。仕方ないから聞かせてあげましょう。」
うっわ〜すっげー上から目線だわこの人さっき聞いてくださいって自分で言ってたのになにしょうがないな〜感出してるんだ?
「えーっとまずこのことを説明するためにはあのダンジョンについての説明が要りますね。あのダンジョンの名前は対ラクタヴィージャ用戦闘リゴラスカルキュレーション搭載型最新兵器保管用ダンジョン別称神の試練と呼ばれるものです。あのダンジョンは異世界で好き勝手暴れて世界の住民を苦しめている神ラクタヴィージャを倒すために作られた兵器なんですよ。ラクタヴィージャというのはかなり強い神なんですけれど邪神なもので自分で世界を治めるとか言って国を立ち上げて他の国に侵攻しようとしてるのでそれに対抗するために作られたのがこの対ラクタヴィージャ用戦闘リゴラスカルキュレーション搭載型最新兵器なんですよ。そしてそれを保管するために作られたのがこの神の試練と呼ばれるもので本来はラクタヴィージのいる世界のラクタヴィージに敵対しているものたちの国に作ろうとしたものなのですよ。そのダンジョンの配置を任されたのが私なのですがうっかり手元が狂ってしまってどこに行ったかわからなくなってしまったのですよ。武器自体は新しく作っているのですがそれを無くしたことによってその時もめちゃくちゃ怒られたんですよ。それで、今回報告に行ったらまた怒りがぶり返してきたとか言ってめちゃくちゃ怒られたんですよ。酷くないですか?酷いですよね。昔あんなに怒った上に給料まで引いたくせにまた怒ってくるなんて。」
ルノア様はここまで一気に喋るとふぅっと一息吐いた。
「このようなことがあったんですよ。」
うん、完全にルノア様が悪い。
「なら俺が死んだのはその対なんとかようアルゴリズム搭載型最新兵器保管用ダンジョンというところなのか?」
あっ敬語使うの忘れてたまあいいかこの人だったら
「そうですよ。にしてもこのダンジョンに入ってしまったんですね。よく80階層までいけましたね魔素もなくてスキルも魔法もないのに。」
「まあ魔物を倒したら身体能力が上がったからな。なんで上がったんだ?」
「先ほど申し上げたとうりこの世界には魔素がないんですよ。でも魔物は微量の魔素を含んでいるため倒すとあ
なたに吸収されたんですよ。それが身体強化として働いていたんですよ。」
「ならランダムチケットとやらで魔法やスキルをもらったのだがなんで使えなかったんだ?体内に魔素はあるはずなのに。」
「それはただ単に両方の使用を天界の方で規制してるんですよ。あの世界は魔法がなかったらどのようになるのかの自由研究…ゴホンゴホン上司からの命令で作ってみたからですね。」
「今自由研究って言った?ねえ、言ったよね。ねえ」
「言ってません」
「いや言っ「言ってません」」
「そんなことよりもあなたはダンジョンに入ってから一度でも帰ろうとしたことがありましたか?」
「言われてみると帰ろうとしたことないな」
「それはですねあのダンジョンにもしラクタヴィージャがきた時に逃げないようにそこに縛り付けるためのものなんですよ。流石のラクタヴィージャも天界の殲滅部隊には敵いませんからね。天界の殲滅部隊はダンジョンには入れるのですが地上には降りてはいけません。しかしあのダンジョンは7620層まであるので攻略自体に時間がかかります。だからそこでラクタヴィージャを叩き潰そうという魂胆ですね!」
この人天界の重要そうなこと俺にペラペラ言ってるぞ。大丈夫か?ていうかまじか俺がいたのってかなり深いところだと思ってたのにまだまだ表面の部分だったのか。てか試練の割には深すぎないか?
俺がそのようなことを考えていると
ルノア様が焦ったように言ってきた。
「でっでもですね、あのダンジョン自体は異世界の人たちが入ると100層ぐらいに戻りますしあなたの世界はそもそも魔素自体がありませんので生身の状態で80層まで到達したということはめちゃめちゃ強いということですよ。」
「ほっよかった俺がクソ雑魚すぎるとかではなかったか。」
「では改めて謝らせていただきましょう。私のミスによりあなたが青春を謳歌し恋愛などもするはずであった中学生時代や高校時代を「いや、俺男子校ですよ」黙っててくださいゴホン高校時代を私が作ったダンジョンで潰してしまい誠に申し訳ございませんでした。」
真剣な表情をしたルノア様が頭を下げて謝ってきた。焦った俺は
「頭を上げてくれ。自分でダンジョンに入ったのですから自己責任だ。しかもとてもダンジョンは楽しかったし。俺は男子校だし。」
「ではお詫びを兼ねてあなたを異世界に転生させてあげましょう。どのような異世界がいいですか?」
なにやらめちゃくちゃぶっとい事典のようなものを引き出しから出してきたルノア様はそれを開いて聞いてきた。
「ならさっき言っていたラクタヴィージャのいる世界がいい。」
「えっなんでですか?あの世界はラクタヴィージャのせいで厳しい状況なのですよ?あなたが望みさえすればどのような環境でも手に入るのに。」
「ここだけの話恥ずかしいことなんだけど憧れてたんですよね…強い敵のいる世界での異世界生活とかに…」
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