肉奴隷トライアル

北嶋慎二

「肉奴隷管理トライアル……」

俺、北嶋慎二（きたじましんじ）のところにもこのような郵便物が届いた。

SNSでは「この封筒何！？」、「これ怪しすぎるでしょ……」、「興味はある」などとさまざまな意見が飛び交っていたのでまさか自分のところにも届くとは……という気持ちだった。

俺は肉奴隷なんて単語はエロ漫画の中でしか見たことがなかったので、何かのマルチ商法への誘導だろうと思い、封筒を机の上に置いた。

その夜、最近発売された大人気ゲームの続編をプレイしながら考えた。

俺はごく平凡な生活をするサラリーマンだ。土日祝日が休日で貯金もそこそこあり、生活に不満はない。ただ、新しい刺激を求めてはいろんなゲームに手を出しては飽きてきた。

そんな俺に、面白い呼び込みがあったのだから。“肉奴隷管理トライアル”に参加してみても良いかなと思い始めた。

もしマルチ商法ならすぐ立ち去れば良い、もし逃げ場を塞がれたら警察へ通報すれば良い。そんなことを思っていた。