第48話 夢の国パワー
「零二くんも私のやつ食べる?」
「ならお言葉に甘えて」
と、俺も奏のチュロスを一口食べる。
「そっちも美味しいな」
「でしょ~?シナモンも捨てがたかったけど、やっぱ私はチョコだな~」
「チョコ好きだもんな」
「大好き!というか甘いものはなんでも!」
「食べ過ぎには要注意だけどな」
「……ちょ、ちょっとは制限してるってぇ~」
プクりと頬を膨らませながら、俺の肩を優しく叩く。
それで制限してたら世の中のダイエットしてる女子から叩かれるぞ。
そんでもって、そのスタイル。自慢にしか思えない。
「ん~、やっぱ列長いね~」
「これもテーマパークの醍醐味な所あるしな」
ちょっとづつ前に進んでいるものの、まだアトラクションに乗るのには程遠い。
「並んでるもの楽しいって、やっぱ夢の国は凄いね~」
「夢の国パワー恐るべしだな」
「プラス零二くんと一緒にいるなんて最高過ぎるよ~」
リトルグリーンまんを食べながら、腕に抱きついてくる。
こう、愛情表現を恥ずかしがらずにしてくる所が奏の好きなところだ。
天然だからなおさらかもしれないが、愛されてる感が凄い。
だけど、周りの目が痛い事も事実だ。
カップルがわんさかいる中でも異色のカップルだここは。
彼女がパクパクと食べながら彼氏にくっ付いている。多分このパーク内には誰もこんなカップルはいないだろう。
表面だけじゃなくて、裏も凄いけどな。だって高校生で同棲してるし。
「零二くん中凄いねぇ~」
列が進むにつれ、室内に入る。
「綺麗だな~」
煌びやかなライティングに派手な装飾。流れるポップな音楽は、好奇心を揺さぶる。
「あと少しで乗れるかな?」
「どうだろ、でも搭乗口は見えて来てるぞ?」
「ホント!?」
ピョンピョンと飛び跳ねる奏。
そうか、身長が低いから見えないのか。よくよく周りを見渡すと、横にいる奏は他の人の背中で天井しか見えていないようだし。
「ま、あと15分くらいで見えると思うぞ?」
「ホントぉ~?時間経つの早いね~」
「ついさっきまで1時間待ちだったのにな」
「ね~。やっぱ夢の国と零二くんのパワーは凄いよ~」
「奏のパワーもあると思うけどな」
奏といると退屈しないし、時が経つのが早く感じる。ゲームをしてる時も、ご飯を食べてる時も、エッチしてる時だってそうだ。
彼女だからっていうのもあるとは思うけど、奏がアクティブだからが大いに関係しているであろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます