Re:本が本を読む本屋
本が好きなので本屋でアルバイトするという、
単純な結論に至ってしまった過去の私を誰か止めてください。
そう思ったのはバイト先の本屋についた時でした。
その本屋には10m級の本棚がズラーーッと並んでおり、
すべての棚が本でぎゅうぎゅうになっているという、
国立図書館もびっくりなお店でした。
しかも本が飛んでいます。
本が。
本のお客様が店の自動ドアから飛んで入ってくるのです。
やってきた本達は店の本棚をじっくりと吟味して、
自分の興味をそそられる本を見つけます。
そしたら自分のページを器用に使って、
本を開いて本の中身をペラペラと閲覧するのです。
本が本を読むという世紀末的な光景を見て、
私は頭痛を発症しましたが、
メントスによるプラシーボ効果でなんとか治療しました。
本達は気に入った本を見つけるとレジのところまでその本を運んできます。
ここからは私の出番となります。
レジに付属しているバーコードリーダーを用いて、
本についているバーコードをピッと読み取って値段を伝えます。
どうやらこの本屋の本は一律一冊2000円の値段だそうです。
大体の本達は一冊の本をご購入されていきます。
数冊ほど購入していく本のお客様もいらっしゃいますが、
結構珍しい感じですね。
購入された本はしばらくすると動き出し、
パタパタと羽ばたき出して購入者の本と一緒に飛んでいきます。
なんだか幸せそうなんですよね、みんな。
私は何を見せられているんだろう......
ああ、そうそう。
本達は本を購入するだけじゃ無いんですよ。
本を購入する数だけ、本棚に並ぶ本たちもやってくるんです。
彼らはレジの隣りにあるバーコードシールを自分の表紙につけて、
空いた本棚のスペースに収まります。
そして自分たちが購入されるまで静かに待つんです。
まさに本の永久機関ですね!
うん?
もしかして、この本屋って本の出会い系サイトみたいな場所だったりします?
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