全てを理解したハムスターは......
これは誰も知らない、走れメロスの裏で行われていたお話。
ハムスターは激怒した。
メロスが餌をくれないのだ。
ハムスターは追いかけた。
メロスから餌をもらうために。
ハムスターは走り続けた。
メロスに追いつくために。
ハムスターは立ち止まった。
ハムスターは全てを理解した。
人間の愚かさ、己の存在価値、量子物理学、この世界の作者を。
ハムスターは全てを理解した。
そして口を開いた。
この世の真実を語るために。
「キュキュ」
......ハムスターに発声器官は無かった。
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