第6話 有耶無耶
「じゃあ、私はこれで、お疲れ様でした」
「気をつけて帰ってね〜」
近くの小さなカフェのバイト先は先輩やオーナーが優しい。このバイトは好きでやってる。
最近、暑くなってた。梅雨に近づいてるということなのか、雨も多い。ジメジメしてるのは気分が悪い。そんなことを考えていると、ぽつぽつと落ちてきた。鞄から折り畳みの傘を探すが、差すかどうか迷う。まだ、大丈夫か。
今日の夕飯は何にしようかな。久しぶりに魚食べたいな。何か安くなってるのあるかな。
昨日、家に帰ったら、仕事が早く終わったのか、秀が家にいて、寝ていたのでそっとしておいた。夕飯まで時間はあるし、課題でも片付けようかと思い、教科書を取り出す。
「…み…めん……め…ぐみ…」
「ん?なんか言った…寝言…? 」
めぐみ…女の子の名前だよね。彼女かな?元カノとか。詮索するなって言われてるけど、彼女くらい聞いたっていいよね。後で聞いてみようかな。
起きた後、「寝言で女の子の名前言ってたよ〜めぐみさんっていうの?彼女? 」と聞くと、少し焦ったような顔で、「…違う。…というか、言ったってわかんないでしょ」
確かに…と納得してしまったので、はぐらかされたまま、この会話は終わってしまった。
結局何だったのかわからず、聞かない方がいいような気がして、聞くのはやめた。
「やっぱ彼女とかいるよなぁ、でもそれだと私邪魔じゃないのかなぁ」
何か訳ありのような気しかしないし、抱え込んでいそうなのが目にみえるが、それを聞けないのがもどかしくて仕方がない。少し気まずいのも確かだ。どうするのがいいのだろうか。
しかしまあ、自分も隠していることがある手前、約束を破ってまで聞こうという気にもなれない。あのことは喋っておくべきか、聞かれてもないのに話す必要もないか。この関係を壊したくない。でもままこの曖昧にしておくの
ガンッ
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