行雲流水

コンペイトウに埋もれたい

1 千波

ガタンゴトン...ガタンゴトン.........


このまま、立ち上がらなかったら…このまま、座っていたら...


未来は...あるのかな......


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「...来てしまった」

私は海に来てしまった。今日は木曜日だから朝から補習があって、それから授業が7限、それから図書室で勉強...のはずだった。私は大学受験を控えているから、朝から夜まで勉強、勉強。入試まであと1ヶ月もないから、一分一秒が惜しい...のに。

海に行こうと思ってたわけじゃない。朝家を出る時も、制服を身にまとって、沢山の教科書とノートをリュックに詰めていた。

ただ、立ち上がれなかっただけ。

学校の最寄りに着いた時...脚が動かなかった。ただ、それだけ。

ましてや、今は冬。最低気温は0度を下回るくらい。そんな時に海に来るなんて、我ながら頭がおかしい。

終点のこの駅に降りたはいいものの、どうしたことか…反対方面の電車は1時間後だ。さすが田舎。

まず学校には間に合わない。じゃあ、海...行く?

やることもないし、勉強...っていう気分にはなれない。

そんなことを考えながら私は海に向かって足を運んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る