第52話 無敵戦艦豪【1】

「豪姫、来島ムラカラ海賊は我が配下に降るを良しとするか?」


「ヨリ様! 来島海賊は、自らを土佐から弾き出された気骨者いごっそうと言って居るが、融通のきかん頑固者揃い! 能島に因島のムラカラは、奴等をムラカラと認めて居らん! ただの無法者海賊集団と思って居った、説得は効かん奴等! 滅ぼした方が後腐れが無いです!」


 俺も納島ムラカラ水軍に因島ムラカラ水軍の二大勢力、総勢5000人を配下にして、これ以上の水軍は不要と思っていた。



 因島ムラカラ水軍の頭目、ムラカラ・ガロウと希望者10名を乗せ、モウリ丸は能島軍港に着岸、豪姫の推薦精鋭と因島のガロウその精鋭10名に、ナオとスケサが鉄砲の操作に流星雷神の発射指導し、モウリ丸に乗船沖合の岩礁を標的に発射訓練をさせた。


 うわさには聞いて居た様だが、鉄砲や流星雷神の威力に荒くれ海賊の血が騒ぐようで、訓練とは言えモウリ丸が装備する流星雷神、各200発のほとんどを楽しそうに発射してしまった。


 シチロウ指導での5日程の訓練で、能島・豪率いるムラカラ水軍は操船技術をほぼ習得した。



 来島海賊討伐の為やって来る、初見の新造戦艦と戦艦豪、二隻の巨大艦が沖合に見えた。



 モウリ丸で迎えに行くと。

「モウリ・ヨリ大殿! あっと言う間にムラカラ海賊を配下にされて、準備に手間取ったとは言え、それがしの立つ瀬が有り申さん!! 新鋭艦を某に譲ってはくれぬか? サヨ様の許可は頂いたが、ヨリ大殿の認可が必要と……」


「新鋭艦は戦艦アズチと命名! オウナガ殿の自由にされよ!」

「おぅ!! 有り難き幸せ!! ヨリ大殿感謝する!!」


「打ち合わせをしたい、能島ムラカラ水軍軍港に入港されよ!!」

「打ち合わせ?」

「来島海賊の討伐の話だ!」

「お? おぅ! あい分かった! 戦艦豪の引き渡しも有る! 軍港に入港する!」



 豪達ムラカラ水軍一同、入港した『戦艦豪』に早速乗船し物凄いはしゃぎ様だ。


「ヨリ様! 早速来島海賊討伐に向かいましょう!!」

 豪姫は本気で言ってる様だ。


 サヨがオウナガに託した、モウリ丸の補充物資受け渡しが終わり、慌ただしくて来島に向け出港した。


 ムラカラ水軍の実戦訓練は、モウリ丸で散々繰り返し熟練してるが、オウナガの戦艦アズチ操船は出来て居るが、実戦で戦えるのか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る