第60話 さらさら

 カコカコの音はしなくなる。

 しばらくして納得したのか、並べた上に彼女は寝そべる。

 その耳に私の書いている音が届いたようで、目を閉じて静かに聴いてくれているようだ。


 丁寧に書いているのだが、音は速い。

 ラミーのサファリ万年筆を使いライフのA5ノーブルノートが1ページめくられる。


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