3
え、
内緒で偵察したユリちゃんのクラス…二年七組の男子面々を巡らす。どいつもヒヨッ子、まだ身体だってできてない、そんな感じだった。
「驚かないんですか?」
いまこのタイミングには驚いたな。
「嫉妬したり、しないんですか?」
オレに引き留める権利なんてない。そうだろう? だけど、
「なぁんだ」
想定外に、ユリちゃんはふくれっつらだ。それもかわいい。
ユリちゃんの柔らかい腰を抱きよせる。揉み心地のいいぷよぷよの頬をつまむ。
「あ! 余裕なんだ! そうなんでしょ! そうなんですね!」
応えるように、手に力をこめる。
だけど、あんなヒヨッ子どもに、ユリちゃんの気持ちが動くとも思えない。
「たしかにわたしのくじらさんは、クラスのだれよりステキですけど!」
ご満悦な顔でユリちゃんがシャッターを押す。
ユリちゃんのころころ変わる表情が愛おしい。
気を抜けば、手をのばしてしまいそうだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます