第63話 光の説明(2)
僕は光にいろいろ聞きたいことがあるため、
「いろいろ質問して良いか?」
と、尋ねる。すると、
「もちろん良いよ」
と帰ってきた。ので、朝、バスを乗ってからおかしかった所を順番に聞いて行くことにした。最初に引っかかったのは堀川だ。
「転校生、つまり堀川が絡んできたのも光達の計画のせいか?」
この件に対してはほぼそうだと思っているが、一応聞いてみる。
「ああ。朝に堀川には『悠に堀川のことの印象づけるように』と言っておいた」
つまり、いきなりタメ口で話してきたのは僕にヤバいやつとして印象を残させるためだったと言うことか。とりあえずこの件は解決か。
となると、次に引っかかるのは告白ラッシュだ。
「じゃあ、楓がたくさん告白されてたのは?」
(まあ、これもこいつらのせいだろうな)と思いながら聞く。
「それは俺の友達にやらせた」
どうやら、友達3人に楓を呼び出させて、告白させたらしい。
「なんで、そんな事を?」
僕はそれを聞かずにはいられなかった。それでもしオッケーをもらっていたらどうするつもりだったのだろうか。その答えも聞ける事を願って聞いてみる。
「それは悠に、天野さんを狙ってる人はお前だけじゃないぞ、と言う事を間接的に知らせるためさ。危機感を持たせたかったってわけ。今回は俺たちのせいで起こったけど、本当に「付き合いたいなー」とか言ってるクラスメイトとか、先輩とか、幅広く居たからね。だからだよ」
「なるほどな」
僕はとりあえず流すことにした。文句は最後にまとめて言うつもりだ。
「じゃあもしかして、あれもか? クラスメイトが『告白しとけば良かった』と僕の近くで言ってたのも?」
「うん。俺の仕業だよ。悠に聞こえるような場所で言うって言う感じだったよ」
「本当によく考えたな」
その努力には本当なら感謝したいところだ。
思わず文句を言いそうになった。最後だった、危ない危ない。
「もしかして柳さんが僕を呼んだのも?」
もしもの時のために、告白した。と言う事実を隠して、作戦に関わっていたか、と言う事を聞き出そうとする。
「いや? 柳さんに何かされたの?」
光が疑問を抱いた声で言ってくる。この様子だと本当に関わっていないのだろう。
「いや、何でもない。悪いな。で、最後に堀川に凸らせたと?」
僕は少しここだけ声を強張らせて聞く。この件に対して一番怒っているからだ。
「いや、事情を聞いた俺と澪は『やめとこう』と言ったんだが、実行者の堀川が『ここまでやってきたんだから続けようぜ』みたいな事を言って、こうなったんだ。最後まで止められなかった俺が悪かった。結果的にはプラスになったけど、マイナスになる確率も十分にあった。本当にごめんなさい」
光はとても謝ってくる。この件は本当に悪いと思っているらしい。
「本当に全くだな。でも、結果は結果だ。良かったんだから全然良い。むしろ良い機会を作ってくれてありがとう!」
そう僕は元気にお礼を言うと、
「悠…! 本当にありがとな!」
「全然ー!!」
そんな感じで、この問題は解決するのであった。
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