第7話 梁のある部屋
ネットで調べものをしていて偶然知ったのだが、風水では梁の下で寝ない方がいいとされているらしい。
ここで言われている『梁』とは、天井に四角くボコッと水平に出っ張っている部分のことですな。本来なら天井裏に隠れている横柱みたいなもの。
この鋭角な角に沿って、負の気、殺気のエネルギーが降りてくるというのだ。
―― 殺気?! ――
またどエライものがくるものだな (((◎Д◎;)))
他にも殺気とは表さないが、とにかく強い気が集まりやすいのだそうだ。
この下で寝ると悪夢を見やすいとか、落ち着かないとか、不調を及ぼすらしい。
ついでに柱の角のすぐ近くも良くないんだとか。
けどそんなこと言ってたら狭い日本の住宅事情、なんかしら危険ゾーンに入っちゃうじゃないのか。
実は私の部屋の天井にも、がっつり大きな梁がある。しかもど真ん中に。
その幅、奥行はキャットウォークどころか、虎が余裕で寝そべれるほどだ。
もうスリム型冷蔵庫ぐらいはあるんじゃないだろうか。とにかくガッツリ頼もしいくらい大きく存在感ありありだ。
私はこの部屋で寝る時には、モロにこの梁の下で平行になって寝ている。
怖い夢は全くないわけではないが一般的くらいじゃないかと思うし、どちらかというと奇妙な夢が多い。このエッセイの1,2話でも話したようなのとか。
何かあっても気にしないって、強い人だと思う。
こう言いながらも私はかなり気にする性格である。信じられないかもしれないけど。
ただ、鈍いのである! ドドォン! (ここは断言)
分かってて知らぬふりするのと、鈍くて分からなかったのではだいぶ違うと思う。
しかし結果は同じ。
例えるならアレですよ。ゾンビ映画とかで『うしろ 後ろっ!』状況なのに、気づかぬうちにスルー出来てる奴。
何しろ、最近になってこの風水を知って、意外に感じたくらいなのだから。
まずその梁の圧迫感を、無意識に感じて落ち着かなくなるのがいけないらしいのだが、特に感じないなあ。
ウチは天井が低くて、ピグミーな私でもこの梁にギリギリ手が届くくらいでしかもあの厚みなのに。
実質的には頭側に置いてある本棚の方が現実的に数倍ヤバい。
地震の際にいつも虫の知らせがある(本エッセイ第4話参照)とは限らないのだから、本棚をずらすなり――位置的に無理💧――上に危ないモノを置かないようにするなりしなくてはいけないのだが、面倒くさがりな私はとりあえずハサミをどかしたくらいか……( ̄▽ ̄;)
そういえば、仏間の方は梁の下ではないけれど、妙に吊り下がり照明が気になったりする。
こちらも高くない天井から、古くて四角い和風照明(紐付きの)がぶる下がっている。けれど箪笥や仏壇の位置関係から、どうしてもその照明の真下に頭が来るようになってしまうのだ。
まずこれが眩しくてねえ。
横になって本を読んでても、目の横から直射が入るのがちょっとうっとおしい。
明かりは三段階にしか出来ないので、シェードに100均で買って来た障子紙を貼ってみた。
ふんふん、やや薄暗くなったが、なかなかいいんじゃない? 光が和かくなった。
それでまた真下で転がっていたのだが、真上に何かぶら下がっているってのはやはり気になる。どうしても視界に入って来るし。
もしかして私が仏間で金縛りになりやすいって、この落ち着かなさなのかもしれない。
無意識に不安感を作ってるのかも。
真下じゃなく横にズレることもできるけど、そうすると今度は頭の先に仏壇が来るのだよ。これもなんか落ち着かない。
考えすぎだと思うけど、なんだか仏様の足元に頭置いてるような気がしちゃうんだよね。
まさか踏んではいかないとは思うけど(;^ω^)……ですよね?
前話で仏間は怖いというイメージが湧かせてしまったかもと、ちょっと反省。
やはり仏間の『仏』は仏様=霊を連想しますからねえ。得体の知れないところが多いモノ=怖い……に繋がってしまうのか。かくいう私もご多聞に洩れずであります。
でも面白いこともあり。
ある日の朝早く、いつも通り仏間で寝ていると誰もいないはずなのに、するっと掛け布団が動く気配あり。おろっ、このパターンは初めて!
怪談あるあるで、金縛りにあったら布団がするするとめくられて……なんて話をよく聞きません?
あれは恐いですよね。『早く起きろ』の嫌がらせVersionみたいで。
え、違う?
ただ私の場合は、逆に肩までしっかり掛けられた。
寝ぼけている私は思わず跳ね除けてその場は終了。
時は去年の真夏の八月。
節電のためにエアコンは28℃設定の弱運転。掛けていた布団も、N●ールの薄い肌掛けである。
ホントに申し訳ないけど、暑かったんだもん。
出来れば冬にやって欲しかった。寝返りした時の背中の隙間が寒いんだよ。隙間無くすようにポンポン押して欲しい。
って、甘え過ぎだ。
まあ寝ぼけてたから夢かもしれないけど。
あとはテレビを見ている時に、ボトッと仏間の箪笥からお手玉が勝手に落ちて来た事くらいか。
うん、昔は3つ余裕で出来たのに、久しぶりにやったら2つしか出来ん。
たまにはボケ防止にやった方がいいかもね。
で、話をマイルームの梁のある部屋に戻す。
実はエピソードはあるのだけど、もったいぶってるわけじゃないけど、そのほとんどが○○さんと勝手に呼んでいる存在のプライバシーに引っ掛かる事なのでちゃんと書けないのですよ。
やっぱり親しき中にも礼儀あり、いや、嫌がることをするのは駄目だろうという基本マナーは人でなくても同じ。
自分の事をあまり話されたくないという、存在のエピソードが多くて……。
すでに過去に喋っちゃってて御免なさいだけど……。
というか、あらためて自分のお喋り欲、強いては人の業――見るなと言われると見たくなる心理みたいな――って、承認欲求みたいに強いもんだと思い知る。
昔ばなしの『雪女』の男みたいに、今まで黙ってたのになんでそこで喋っちゃうかなあとか思ってたけど、自分もだったわ……💧反省……。
しかしなんだが……、ぶり返して本当に申し訳ないが、良い事もダメなのかな?
色々あるけど、あの連夜の悪夢(『夏だ! お盆だ!…』の第三話)事件以来、私は仰向けに寝る事が出来なくなっていた。
あ、こう書いてあらためて思ったけど、アレってトラウマになってたんだな! 再確認したわ。
『仰向け≠金縛りに遭い易い』という不安感が出来てしまっていた。
実際は横だろうが縦だろうが関係ないみたいだけど、仰向けって押さえつけられたらっていう心配も煽るからねえ。
そんな不安をほぼ解消してくれたのは本当に感謝してるよ。
もしかするとこの部屋だけなのかもしれないけど、取り敢えずこっちでは安心して寝られるようになった。助かってます。有難う。
そういえば関係ないことかもしれないけど、この部屋で寝るようになって、ホンのたまに夜中に笑いながら目を覚ますことがあった。
こんなの初めてだよ。
なんだろ、何かスゲー面白い夢を見ていたようなんだが、目が覚めた途端忘れてしまった。
そしてそのまま自分の笑い声で目が覚めてしまった。というか、肩を揺すって笑っている自分がいた。
なんだなんだ、また睡眠障害の一種か?
会社の友人に言うと、『うん、そういう事あるよね』と言うから、そうか珍しい事じゃないんだ。ちなみに笑い方を披露すると引かれた。
『い~~っ イぃッヒッヒッヒッ!!』
妖怪か魔女じゃねえのかっ!? もしくはブラック魔王だ!(って、知らない世代の方が多いんじゃ)
我ながら寝てる奴がそんな笑い方したら恐いわっ。良かった、誰も見てなくて――って見てないよね……?
詳しく言えないが、この部屋で大アクビしてたら******のチラ見と目が合って――、メッチャ恥ずかしいわ! 絶対ブサイクな顔してただろうし……。
まあこんなこと数回しかないしかないから忘れてたら、今年に入って再びこの部屋で寝てたら、また夜中に笑っちゃったよ(;´∀`)
なんだろ、今度はアーハッハッハッ! だったから良いけどさ。
もうホントに笑うしかない。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
余談ですが、仏間の方の照明も先月とうとう平べったいタイプに替えました。
この照明も、いつ取り付けたのか分からないくらい使ってるコテコテ昭和タイプ。
もう取り替えてもいいでしょう。
そして、う~ん、いいじゃないですか、シーリングライト。
明度も細かく調整出来るし、いちいち起き上がらずに手元リモコンで操作出来る。
スリープタイマー付きって本当に有難い。これで寝落ちも怖くない。
こんなのがお安く買えるとは、良い時代になりましたねえ。
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