第17話 力と代償

※この辺りからしばらく前に書いた話をそのまま載せたものになります。文章の質に違和感があると思いますがご了承ください。先に進む程改善されます。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 さーて4階だ! よし魔物狩ろう!


 ……うん、テンション無理矢理上げて現実逃避するのはやめよう。4階の魔物相手にスキルの効果くらい確かめておかないと。

 この階の敵のLv20~25だったはずだけど、《チュートリアル》のアナウンスは入らないんだね。基準どうなってるんだろう?


――Lvの数値に加え、本人の戦闘技術や相性、場の状況により判断されます――


「うわっ!?」


 って、何かこの流れデジャヴじゃない?

 《チュートリアル》を意識してたら心の声の質問にも返して来るのね。なら、2つ確認しておきたいことがある。

 何だか私のLv妙に上がるのが早い気がするんだけど、あと私のスキルが軒並み物騒なのは何で?


――レベルアップは魔物を倒した際の経験値の数値だけではなく、実際の戦闘経験や技術の向上も含まれ、合算され行われます。そのため魔物固有の経験値というものや、経験値テーブルというものは存在しません――


 へぇ、そこはAIとかで判断してるんだろうね。じゃあスキルは……


――スキルの習得及び強化は、それまでの行動や思考などに基づく内容、また戦闘形態の補助や強化のための内容となります。即ちスキル内容は、あなたの行いによって齎されたものになります――


 やっぱりそうだったのね、つまりは私の影響というか私のせいだったの。てか《チュートリアル》さん、なんか言い方に棘が無い?


 実際強くなっているんだろうし、これはこれで良いだろう。それじゃあ魔物狩りと行こうか。



 ここの階もゾンビなのね。でも下のと比べると、どことなく動きが速いような…………って遅くなった。何だ?



 ……あ【恐怖の瞳】のせいか。50mくらい距離あるよ? 条件が『姿を確認した相手』だからだろうけど、射程=視界なんてことある? んー、ダンジョン内だとこれ以上の距離は試せない。

 強さは可変だったっけ、今は…………これで弱ね。ゾンビ達こっち向かって来てるけど、まずは中に……


「「ヴァ…………グァァ……」」


 また遅くなった。声が引いてる感じもするし、でもこっちには向かって来てる。中だとこれくらいなのね。じゃあ強。


「「「ヴァッ?! …………グァ…………」」」


 あ、止まった。というか若干引いてる。ってあなた達私よりLv上でしょう、それに集団だっていうのに。うん、強は名前通りかなり強いね。これなら怯ませるのにも使えそうだ。それにLvに多少差があっても大丈夫らしい。

 基本は弱か中にしよう。流石にずっと強はまずそうだしね。とりあえずあいつらは殺ろう。



 ――うん、下の時と変わんないね。下の階でLvが6上がる前でも戦えてたし、階が上がって魔物のLvが5上がっても戦えないことは無いね。

 どこかで《狂化》も試したいんだけど、どこかに丁度いい相手はいないかな……



 ここは広間か。多分下の階と作りが同じみたいだから、さっきまでいた所と同じ所っぽいね。


 見たところ敵はいなくて……下の時と同じアイテムの箱がある。

 あっ、もしかして下では箱を取ろうとしたら、ゾンビの集団が出てきたって所だったのかな?だとしたらここでも何か出るだろうね。


 今のステータスは…………HPは良いけどMPが残り少ないか。《狂化》使うなら都合がいいしこのまま行こう。


 箱に近付いて行くと…………


「「ヴァァァ…………」」

「「グァァ…………」」


「グルォォォ……」


 やっぱり出たね、ゾンビは30体くらいいるね。それに、明らかに目立ってるあのデカいゾンビだ。体長2mは超えてそう。一先ず見てみよう、どれどれ、《鑑定》。


□□□□□

暴威の屍 Lv.25

※詳細鑑定不能※

□□□□□


 へぇ、ダンジョン高層なだけあって中ボスもいるってことかな。

 さぁ行こうか!《恐怖の瞳》強!


 普通の奴は引いてるけど、デカい方は引かないね。ビビってはいそうだけど。

 それじゃああれを試そう! 《狂化》!……


 …………っっつぁ! 意識が…………


「うふ、ふふふ………………あははははははっ!!」



 ――なるほど、面白い。確かに意識が敵にしか向いていない感覚がある。でも自分が自分で無くなることはないし、自分で動ける。


 でも凄い!! この興奮! 高揚感! これが【狂化】なのね…………さぁ、殺ろうじゃない。


「さぁ殺し合いあそびましょう?」



 ――凄い……楽しい…………

 雑魚はすぐ蹴散らし、あっという間にデカいゾンビと1対1だ。こいつ、動きは他とは比べ物にならないくらい速い、まともに戦えばいい勝負だったのでしょう。


 だが《恐怖の瞳》、これのお陰でただの蹂躙と化してしまった。

 攻撃は鈍っているし、防御も遅い。この双剣だと威力に限界があり、切り落とすまでは至らないがかなりの数攻撃が入っている。

 さぁ、これで終わろうか。《命刈り》。


「あははははっ!」


 ――――ザシュッ!!




 ふぅ、死んだね。これで終わり…………




 ――――ベギベキバキボキ…………


「あ゙あ゙あ゙あぁぁっっ………………!!!!」



 突然頭を捻じるような痛みが私を襲った。



 痛い痛い痛い痛い!! 何? 何が起きてるの!? ステータス?!


□□□□□

ライブラ Lv.17

HP:42/1160 MP:0/281

耐性

火:0 水:0 氷:0 雷:0 風:0 地:0 光:0 闇:0 物理:0

スキル

《鑑定》《インベントリ》《チュートリアル》

《追風・強》《跳躍・強》《治癒・弱》《静音・中》《隠密》《首斬り》《暗殺・強》《閃撃》《見切り》《命刈り》《狂化》《恐怖の瞳》

※状態異常:【MP異常消費】

□□□□□


 あー…………そうか。《狂化》の間MP少ないっていうのにスキル使ってたか。それでMPの消費の不足分を、HPと状態異常に持ってきたと…………


 とりあえずMP回復薬とHP回復薬ね、《インベントリ》…………



 ――はぁ、酷い目に遭った。《狂化》のMP消費をケチろうとすると、こんなことになる訳か。

 これならここぞって時じゃなければ、使わない方が良いかもしれないね。代償がかなり大変だ。



 それじゃあ、箱の中身は何かな?

 って、黒のドレス? 丈は膝の辺りまでで……デコルテの部分露出度高くない? 肩の横に布があるだけでノースリーブ、首の前側にはレース生地がある。

 肩と首に腕と脚まで出るって、流石にちょっと恥ずかしいんだけど。外で着て歩くにはデザインが…………いや、ギリギリ違和感無いかな?


 軽いし、動きやすい素材ではあるけど、露出が多いんだよ本当に。露出度と動きやすさは比例しがちだけどさ、にしてもだよ。流石に胸元まで出てなくて良かったよ、谷間なんて出来ないけどさ。


 一応《鑑定》はしてみるけど…………


□□□□□

冥府の瘴霧 Lv.20

※詳細鑑定不能※

※Lv不足のため装備しても効果が発動しません。

□□□□□


 うん。それは予想通り。Lvもここでは1しか上がってないからね。名前に関しては、ゾンビ→死者→冥府って所かな?

 一先ずこれは《インベントリ》に仕舞って、もう1階に戻ろうかな。流石に疲れてきた、ログアウトして休憩もしよう。


 どうやら、ダンジョン内ではログアウトが任意強制共に出来ない仕様らしい。



 さて、今後はLv20目指して頑張るか……

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