第6話 闇との出会い
あれから3人を殺して気づいたことがあった。
1つ、どうやらこの道は何かの通り道になっているようで、偶に人が単独で入ってくる。
2つ、人を殺すことで何かを手に入れるのは効率が悪いこと。Lvは相当格上のはずだけど、最初にLv6になったのはたまたまだったらしい。
そして3つ、そもそもLv20を超える人が少ない。ここを通る9割がLv20以下だから、3人待つ間にもう夜になってしまった。
考えてみれば初心者のスタート地点近くになんて、上級者はそう来ないよね。
世界人口が少ないからか、空には星が見える。プレイヤーしかいないから灯りも少ないのかな。
でも電灯は明かりがついてる、管理者なんていないのに…………。なるほど、これがご都合主義というやつか。
「チチチチ……」
ん?何かいる?――って、コウモリか。《鑑定》!
□□□□□
月影の蝙蝠 Lv.6
HP:402/900 MP:14/350
耐性
火:0 水:0 氷:0 雷:0 風:0 地:0 光:-50 闇:50 物理:0
□□□□□
HPとMPが減ってる、ということは誰かから逃げてたのかな? だとしたらこの近くにプレイヤーが……
――《チュートリアル》危険な状況を感知しました、逃走を推奨します――
スキル《チュートリアル》の機能の1つ、危険な状況の通知がはたらき、頭の中にアナウンスが響く。
……え? プレイヤーは敵にはならないから魔物ってことだけど、こんな所に魔物って……
「xifsfjtnzipnf……」
何、あの子どもの人型……影? 殺気というかオーラが溢れてるんだけど。見るからにやばいやつでしょう。見れないだろうけど、一応《鑑定》…………
□□□□□
還る処を探す闇 Lv.1
HP:20000/20000 MP:14988/15000
耐性
火:80 水:80 氷:80 雷:80 風:80 地:80 光:0 闇:100 物理:100
□□□□□
あ、駄目なやつだこれは。これ寧ろ見れない方が良かったよ。Lv.1で既にボスみたいなステータスしてるんだけど。どこか行ったみたいだしとりあえず逃げ…………
「xipbsfzpv……?」
「ひぁっ…………」
え何で目の前に……
「……czf」
「……ぁ」
「はあぁぁぁ…………」
何あれ?! ゲームの序盤の序盤で出る奴じゃないでしょう! 始まりの村を出発したら魔王にエンカウントしましたーってどんな無理ゲーだっての!
私は初期拠点のアパートの部屋に死に戻りしていた。サービス開始初日ということで、何かしらのイベントというものかと考える。そうでもないとあんなものが出た納得がいかない。
それに、
汗をかいた訳でも疲労感がある訳でもないが、気分転換に部屋に備え付けられていたシャワーを浴びていた。
「電気だけじゃなくて、ガスと水道も通ってるとはね」
本当に謎に技術力が高い。ゲーム内でも現実と何ら変わらない感覚でシャワーを浴びられるとは。
「あいつのこととか調べたいことも多いし、今日は終わろうかな」
本当にあれは一体なんだったんだろう。
それに明日は月曜日で夏休み前にあと2日学校がある。色々考えた結果、今日はログアウトすることにした。
「……んんっ」
時計を見ると2時間しか経っていない。ゲーム内では半日過ごした感覚なのに、やっぱり不思議だ。
「明日秋川さんに話聞こうかな、近ければゲーム内で会えるかもしれないし」
それにしてもスタート地点を47択で選べるとは思わなかった。彼女も初日から始めると言ってたし、初期拠点が遠いと困るなぁ……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます